カップを手にくつろぐ女性写真はイメージです Photo:PIXTA

最近のある調査で、睡眠問題を抱えた人と快適な睡眠をとれる人では、多く摂っている栄養が異なっていることが判明した。つまり、眠りを作るのは「食事」なのだ。睡眠科学者が「質の高い」睡眠を得るための食の知識を指南する。※本稿は、睡眠療法士のメライン・ファンデラール著、國森由美子訳『熟睡力』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。

眠れない人は脂質や炭水化物
眠れる人はタンパク質を多く摂る

 低炭水化物ダイエットは夜の睡眠に影響するだろうか?バナナと温かい牛乳が睡眠を促すかもしれないというのは本当だろうか?炭水化物やタンパク質、脂質の摂取量は睡眠と関係があるのだろうか?

 19件の研究を体系的に分析した最近のある調査では、よく眠れる自覚のある人々は、不眠の人々よりタンパク質を豊富に含む食事を多く摂っていることがわかった。相対的に言えばよく眠れる人々はタンパク質を約1.5倍摂取していた。よく眠れない人々は炭水化物や脂質からエネルギーを得ていた。主観的な睡眠の質が悪い人々は最大で約1.8倍の脂質を摂取していた。調査には残念ながら、因果関係についての記述はない。

 不眠の人々が脂質や炭水化物を摂取しがちなのは疲労からなのだろうか?高タンパク質の食事を摂ると睡眠の質が改善するという科学的な指摘がある。肥満の人々が4週間にわたってタンパク質の多い食事を続けると、タンパク質の少ない食事を続けた場合よりも主観的な睡眠の質が改善された。別の研究では、タンパク質を多く摂取することと睡眠時間が短くなることの関連性がわかった。データがこんなに相反しているのはなぜだろう?