すると、どちらも不安を軽減するのに役立つが、その度合いは自然環境にいることを想像するよう指示された場合の方が大きいとわかった。

 というわけで、自然に囲まれた安全な場所を視覚化するのは、不安を軽減するのにとても効果的である。以下は、そんな視覚化エクササイズの一例である。

・自分が快適で安全な場所にいると想像する。森の中や海辺、あるいは子どもの頃の思い出の中にある特定の場所でもいい。

・目を閉じてその場所を思い浮かべる。色彩を想像し、周囲の温度、聞こえる音を感じようとしてみる。

・見えるものや香り、聞こえるもの、感じるものそれぞれに注意を向け、自分がその安全な場所にいることがリアルに感じられるよう試みる。

・エクササイズに数分かかっても構わない。

 このエクササイズを頻繁に行うと、実際にその安全な場所にいるかのように身体が反応するようになり、気持ちが次第に落ち着いてくるはずだ。はじめは日中にこれを数回行うといい。それから、寝る直前に実行してみる。その場所に横たわっていると想像し、そこでは完璧に安全だということを常に忘れないようにする。

自分の周囲の状況を
あるがままに見つめられるか

 様々な科学者がマインドフルネスをもとにしたテクニックの効果を研究してきた。マインドフルネスは仏教の伝統に由来し、現状を変えようとしたり、意識から消し去ろうとするのではなく、現在起きていることに一切の価値判断をせず、あるがままをただ見つめるという意識の状態を指している。

 ネガティブな思考や状況に直面すると、それを考えないようにしたり、そこから離れようとするかもしれない。マインドフルネスを学ぶとは、ネガティブな思考や状況に判断を下さず、あるがままに見つめる術を学ぶということだ。

 睡眠促進に用いられる手法としては瞑想ーー注意力や感情を調整し、身体意識の向上に気持ちを集中させるーーからマインドフルネス認知療法や、起きていることを受け入れ、目標を決めて前進するよう促すアクセプタンス&コミットメント・セラピー、感情的なストレスを軽減するために自分の思考を自分がどう考えているのかを学ぶ「メタ認知プロセス」への洞察を深める療法まで多岐にわたっている。