途中で老後資金がなくなったらどうなるか。高齢になってから借金をするのは現実的ではありません。年金だけで生活するしかなくなります。そこに病気や介護が重なったら、不安は一気に大きくなります。
でも、逆のパターンも問題です。
「減るのが怖い」と言って、まったく使えない。外食も旅行も我慢して、生活の質を下げてしまう。それでは、何のために一生懸命働いて貯めてきたのでしょうか。お金は使ってこそ意味があります。
使わずに亡くなってしまったら、その分、タダ働きしてきたようなものです。せっかく自分の人生の時間を差し出して貯めたお金です。最後はきちんと自分のために使い切りたい、と私は思います。
だからこそ、老後資金の取り崩しには「コントロール」が必要なんです。
ここで言うコントロールは、難しい運用テクニックのことではありません。シンプルに「どうやって取り崩すかのルールを決める」ということです。
老後資金はこう取り崩す
取り崩し方には、大きく分けて2つの考え方があります。ひとつは「定額」、もうひとつは「定率」です。
定額はとてもわかりやすい方法です。毎年、あるいは毎月、決まった金額を取り崩します。
たとえば、老後資金が3000万円あったとします。65歳から100歳までの35年間で使うと決めたら、3000万円を35年で割ります。すると年間約86万円、月にすると約7万円です。
100歳までという少し長めの設定にするのがポイントです。平均寿命で計算すると、もしそれ以上生きた場合に資金が尽きてしまうおそれがあるからです。長めに見積もっておけば、安心感も違います。
もうひとつが定率です。
これは「残っている資産の何%を取り崩すか」という考え方です。たとえば3000万円の5%を毎年取り崩す、といった具合です。
この方法のいいところは、長く持たせやすいことです。それと最初は金額が大きく、だんだん減ってくところです。元気なうちは支出も多くなりがちで、高齢になると自然と支出が減る傾向がありますから、理屈には合っています。
ただし、計算は少しややこしくなります。毎年残高が変わるので、いくら使えるのかが一定ではありません。
老後資金を運用しながら取り崩す場合には、運用が良ければ取り崩し額は増えますが、悪ければ減ります。計画を立てにくいという面もあります。
とはいえ、最近は便利なサービスもあります。楽天証券やSBI証券では、定額や定率の取り崩しサービスを用意しています。自分で毎回計算しなくても仕組みとして設定できるので、検討してみるのもひとつの方法です。







