そして、「他人と比べて」だけではなく「自分ができるようになっている」ことを素直に喜ぶ傾向もあります。ロールプレイングゲームも魔王を倒したゴールではなく、自分のレベルアップの瞬間が楽しいものです。

 自分ができるようになっていることを実感するには、「模試のやり直し」がおすすめです。「解き直してみたら、思ったより解けた問題があった」という体験は、即効性があります。昨今の模試は処理力勝負になっていることも多いので、時間無制限でやり直しをすると得点が驚くほど上がることも珍しくありません。

「もしこの得点だったら、順位は○位だったね。すごいじゃん」という声かけや、「伸び代がたくさん見つかったね」というプラスの働きかけが、前向きさにつながります。

漢字や計算練習は
やり方を工夫する

「言われたことを、言われたようにやる」というのは、大人でも嫌なものです。

 同じく、「やらされ感」があると、子どもは頑張ってくれません。しかし、漢字や計算などの基本的なことについては、嫌でもやらざるを得ません。

 そこで、意識したいのは「学びの工夫」です。

・漢字練習は、タイムを測って「速く正確に書く」ことを意識する。

・1週間に計算100題をやると決めて、表にシールを貼って頑張りを可視化する。

・漢字練習や計算のノートは罫線の大きいものを使い、字や数字も大きく書くようにする。使い切ったノートが増えることで達成感を可視化でき、同時にミスも減る。

・親子や兄弟で、ゲーム感覚で競争をする(3分間で、「三画の漢字をいくつ書けるか」など。適度に負けてあげることも忘れずに)。

 全部がうまくいくとは限りませんが、学習を楽しむ「工夫」をしようと考えることが大事だと思います。

 また、どうしても時間に追われる生活をしているかと思いますが、「宿題以外に自分で選んだ課題をやる時間」を捻出してあげるようにしたいものです。入試直前には、自分の弱点を自分で補う力がついていることが必要だからです。

 ビジネスの世界では、人材マネジメントのセオリーとされるタイプ分けがあります。

(1)言われたこと以上のことをする社員(自主的に動く)
(2)言われたことしかしない社員(指示されて動く)
(3)言われたこともしない社員(叱られたり、強制されて動く)

 この記事をお読みの方は、会社員の方も多いと思います。周りにはどのタイプの方が多いでしょうか。そして、お子様をどんな社会人にしたいでしょうか。

 受験勉強を通して、(1)ができる大人への第一歩目の練習ができたら最高ではないかと、私は思います。

>>後編『「気持ちの切り替えが早い子」の親が絶対にやらないこと【中学受験】』を読む