日本企業が時価総額1兆ドルクラブに入る日は、いつ?(写真は2018年、トヨタとソフトバンクが新会社設立の会見にて) Photo:JIJI
株式時価総額が1兆ドル(約160兆円)を突破した企業は、5月末時点で15社ある。しかし残念ながら、日本企業は1社も名を連ねていない。6月1日、ソフトバンクグループの株式時価総額は一時、トヨタ自動車を上回った。キオクシアも急伸しトップ3にランクインした。大きな変化がある一方で、日本の有力AI企業が“1兆ドル”入りするには、まだ4倍近い株価の上昇が必要だ。厳しい状況だが、好転させられるのだろうか。(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)
世界の株式時価総額に異変
なぜ日本企業は後退しているのか
世界の株式市場で、時価総額が1兆ドル(約160兆円)を突破する企業、“1兆ドルクラブ”が増えている。6月1日時点で、韓国サムスン電子、SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーの主要メモリー半導体株が上昇、同クラブの仲間入りを果たした。メタやテスラなどは、1兆ドル半ばに迫った。
1兆ドル企業には共通・類似項がある。AI(人工知能)分野に集中していることだ。特に、AIに必要な広帯域幅メモリー(HBM、DRAMを束ねデータ転送速度を引き上げた記憶装置)の需要が急増し、メモリーチップメーカーの業績が急拡大している。
そうしたAIの波は、わが国の株式市場にも及んでいる。6月5日終値時点では、わが国の時価総額トップは、トヨタ自動車(約45兆円)、2位はキオクシア(約43兆円)、3位はソフトバンクグループ(約42兆円)だったが、6月上旬の数日間はキオクシアとソフトバンクグループが急伸し、一時トヨタを抜いてトップになるなど競り合いが続いている。
思い起こすと今から30年以上前の1989年の年末、わが国企業はNTTを筆頭に、世界の株式時価総額トップ10社中、7社を占めた。当時と現在の世界トップ企業の顔触れ、時価総額のいずれを見ても、わが国企業の退潮ぶりは顕著だ。残念だが、米国や韓国、台湾の主力企業との差は歴然としている。
今世紀は、AIの時代と言われて久しい。わが国企業も、次世代のメモリー半導体や演算チップを創出し、さらに新しいAIデバイスの開発に取り組むことが求められる。
それは口で言うほど容易なことではない。しかし、わが国企業も1兆ドルクラブ入りするには必要不可欠な要素だ。官と民で、経済の活性化に向けて取り組むべきことは何か。







