誘い上手な人は、相手から断られてもめげません。しかし、強引に誘うわけでもありません。誘い上手な人は、「すぐ近くだから……」「30分だけで……」などと距離や時間のお手頃感を伝えたり、「旬の食材が……」「きみにピッタリのお店で……」と魅力を伝えたりします。

 誘い上手な人のコミュニケーションスキルの特徴は、「相手の立場」を大切にしつつ「引き出しが多い」ということです。場合によっては、「今日が無理なら、いつにしようか」と別の日程の予約を入れるという引き出しを使う人もいるでしょう。

 このことから、「相手の立場を慮ること」と「行動や言葉の引き出しを増やすこと」がクラス内の円滑なコミュニケーションにつながると言えそうです。

(2)断り上手な人は、自分に非があるわけではなくても「ごめんなさい」と言っている

 次に、誘われた側に視点を転換してみます。断り上手な人がいるはずです。断り上手な人は、「ごめんなさい。実は今日は……」「すみません。あいにく予定が……」と、自分に非があるわけでもないのに謝って、そのあとに理由を告げるようにしています。

書影『教師の流儀 正解のない問いを考える』(川上康則 エンパワメント研究所)『教師の流儀 正解のない問いを考える』(川上康則 エンパワメント研究所)

 断り上手な人も、相手の気持ちを考えて、自分の都合をやんわりと伝える努力をしています。その気持ちが「ごめんなさい」「すみません」という言葉に表われています。

 クラスの中には、なかなか素直に謝罪の言葉が出てこない子がいます。プライドがあり、「オレは悪くない。だから謝る必要がない!」と非を認められない子どももいます。

 もちろん、そうした主張を通さなければならない状況もありますし、彼らなりに譲れない信念なのだろうとも思います。

 そんな気持ちに寄り添いつつも、その一方で、お互いにWin-Winの関係を保つには、「ごめん」「ごめんね」のハードルを下げてあげることも大切なのではないかと思います。「ごめん」はそこまで重い意味合いではなく、日常の気遣いのようなものと捉えられることも大切にしたいものです。