「何から作ればいいのかわからない」という人は、過去の投稿を振り返って短歌にしてみると、思い出を違った形に再パッケージすることができ、新たな発見があるかもしれません。

 最近は、短歌に写真を添えるような表現もSNSを中心に盛んに行われていて、今っぽい立体的な楽しみ方といえますよね。

 写真には映らない思い、写真を添えることでより鮮明に刻まれる記憶を、短歌に残してみてはいかがでしょうか。

育児短歌のために
立ち止まる時間が尊い

 スマートフォンで子どもの撮影をするとき、写真家になろうと思いながら撮っている人は、おそらくいないでしょう。プロでなければ撮ることのできない写真がある一方で、常にそばにいる親だからこそ、撮ることのできる写真があります。

『みんなの短歌』書影みんなの短歌』(マガジンハウス、夫が寝たあとに、俵 万智)

 短歌も同様で、完璧なもの、作品として優れているものを目指す必要はありません。子どもをそばで見ている人じゃないと気づけない、“シャッターチャンス”があるはずなので、そんな心のシャッターチャンスに敏感になることが、短歌作りの第一歩です。

 たとえ完成しなくても、短歌を作ってみようとする行動を通して、子育てを丁寧に味わう時間が生まれます。

 これは歌になるかな、と立ち止まる時間が尊いのであって、作品は副産物くらいに思ってかまいません。

 子育てが豊かで、鮮やかな時間になること。

 それが育児短歌をおすすめする、いちばんの理由です。