Photo:JIJI 提供元:ネスレ日本
世界中で愛されるロングセラー商品「キットカット」。おなじみの「Have a Break」というキャッチコピーからは想像しにくいが、そのルーツをたどると、砂糖貿易、奴隷労働、帝国主義、そして巨大企業による買収劇といった、資本主義の生々しい歴史が浮かび上がる。私たちが何気なく口にするチョコレートは、いかにして世界経済を動かす巨大ビジネスへと成長したのか。※本稿は、経済学者の坂出 健『贅沢と欲望の経営史 あなたはなぜ今日もスタバに行ってしまうのか』(光文社)の一部を抜粋・編集したものです。
砂糖を握ったイギリスが
世界経済を支配した
砂糖をたっぷり入れた紅茶を、ウェッジウッドのティーカップでいただく――イギリスらしいティータイムの光景です。
実は、この組み合わせこそが、かつてのイギリス帝国主義を象徴する存在でした。特に砂糖は、奴隷制度や三角貿易と深く関わり、世界の歴史を大きく動かしてきました。
砂糖は「世界商品」の代表例です。歴史学者の川北稔によると、「世界商品」とは、世界中の市場で広く売られるようになった商品、いわばグローバルヒット商品のことです。現代なら石油、テレビ、自動車、スマートフォンなどが世界商品に当たります。
16世紀以降の世界では、「誰が時代の世界商品を握るか」をめぐる争いが続いていました。
川北は、世界史を動かしてきた世界商品として砂糖を挙げ、「それを握る国が覇権を得てきた」と語っています。その「苦み」ゆえに、単体では世界商品になれなかったコーヒーも、砂糖とともに飲まれることで世界中に広まりました。
初期の世界商品のもう一つの代表格が綿織物です。







