世界を動かしているのは米国だと改めて気付き、
資産の半分以上を投じて米国で起業!
――そもそも、米国で起業したのはどうしてですか?
ハセンさん “自分投資”と言いながら、実は株式投資もかなりやっているんです。これが、やればやるほど米国という国のすごさを思い知らされるんです。株を始めたばかりのときは、日本株を買ったり、NISAで「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」を買ったりしていました。でも、ある日「オルカン」の組入銘柄の約6割が米国株であることに気付き、「なんだ、世界を動かしているのは結局、米国じゃないか」とハッとさせられたんです。
――なるほど。
ハセンさん なぜ、米国はこれほど世界経済に大きな影響力を持っているのか? 理由はシンプル、どの国よりも多様性に富んでいるからです。テクノロジーを世界中に広げているのは米国だけれど、それを実際に生み出しているのは、米国に暮らす中国人やインド人だったりしますからね。
実際に米国に足を運んで、多様性の中から新しいモノが生まれてくる現場を目の当たりにして、「この熱量と最先端の技術を、世界中のみんなに届けたい」と強く感じました。一方で、日本に埋もれている優れた技術や魅力的な文化を、逆に世界へと発信したい気持ちもあって。そんな想いから、日本で設立していた会社の姉妹会社という形で、米国に新しい拠点を立ち上げたんです。
――日本で会社を設立した経験があるとはいえ、海外で起業するのは相当ハードルが高かったのではありませんか?
ハセンさん 正直、想像以上に大変でした(笑)。銀行から事業融資を引っ張ってこないといけないし、現地でスタッフも雇う必要がありますからね。でも、どれだけ苦労しようと、一度は自分で経験してみないとわからないことばかり。それが何より大事だと思っているんです。その経験こそが、ほかのMCと差をつけるための何よりの投資でもありますからね。
――自己資金もかなり投入されたのですか?
ハセンさん 妻にも話してきちんと背中を押してもらったうえで、資産の6~7割をまとめて投じました。それだけの大金、先の見えない事業に賭けるぐらいなら、大好きなテスラ株に全額ベットしたほうが、きっとはるかに儲かったはず。
でも、僕はあえて不正解のほうを選んだんです。もちろんリスクはありますが、大きく賭けてこそ、大きなリターンが返ってくる。それぐらいの覚悟を決めないかぎり、子どもの頃から胸に抱いてきた“世界を変える事業”なんて、いつまで経っても夢物語で終わってしまいます。
――そんなハセンさんの投資マインドが育まれたのには、ご家庭の影響もあるのでしょうか?
ハセンさん 僕の父はイラク人なので、投資とはまったく無縁の人でしたね。イスラム教の教えでは利息の受け渡しが禁止されているので、父は株や債券などを一切買ったことがありません。その代わり、僕がTBSに入社したときには「とにかく早いうちに、できるだけ大きな家を買いなさい」と勧めてくれました。もちろん投資にもなるし「家族がいさかいを起こさずに暮らす秘訣は、大きな持ち家を構えることだ」という、伝統的な家族観も根底にあったようです。
でも、父から学んだ一番大きなものは、遠いイラクから単身この日本へ渡り、異文化に溶け込みながら自らのキャリアを築き上げてきた、仕事人としての生き様です。日本の枠にとらわれずに米国で起業してみたいと思い立ったのも、紛れもなく父の影響が大きかったんですよ。父の祖国イラクと、かつて戦火を交えた米国で事業を興すことには、複雑な想いもなくはありません。それでも、巡ってきたチャンス。思いっきりぶつかってみたいですね。
――米国では、具体的にどんなビジネスをやる予定ですか?
ハセンさん すでに情報発信事業を立ち上げていて、米国の起業家や専門家を取材し、最先端テックや資産運用の情報を、メルマガやYouTubeで配信しています。最近は、米国など世界に挑む人を増やすためのオンラインコミュニティーも始動させました。これから先もいろいろなことに挑戦していきたいと思っていますが、何をやるかは行き当たりばったりでいいと思っているんです。
AIの進化と普及で、世の中が目まぐるしく変わっていく時代には、その都度最適解を探りながら動いていったほうがいいですからね。常に新しいことに挑んでいきたい。そして、その自分自身に大きく賭けるための原資として、おカネは儲けたいですね(笑)。








