つまり、最初のキャリア選択は間違っていなかったということだ。私は、執筆し、講演し、思索し、学生たちと交流する仕事が大好きだ。それに得意でもある。

 しかし、大学の博士課程のような門番のいる世界に入るには、いくら自分が確信していても関係ない。まずは門番を納得させる必要がある。本当に有能な人であれば、いずれ必ず認められるだろう。しかし、短期的には拒絶されることもあるかもしれない。才能に気づいてもらえないかもしれない。

 それに、たとえ門番のいない状況であっても(たとえば自分のブログを始めるなど)、一夜にして成功を収めるのはかなりのレアケースだ。読者やリスナーを集めるには時間がかかる。たとえフォロワーが一人もいなくても、あるいは上の人に実力をまったく認められなくても、その時期を乗り越える粘り強さが必要だ。

 その時点で、自分のしていることがうまくいっているかどうかはわからない。そんなときは、その道で権威ある人の意見を頼るのが一般的だ。だが問題は、その人も間違うことがあるということだ。

拒絶から立ち直り
ゲームに復帰する

 アン・シュガーは成功したエグゼクティブ・コーチで、クライアントは大手企業ばかりだ。それにハーバード・ビジネス・スクールのエグゼクティブ教育プログラムでも仕事をしている。彼女は書くことが好きだった。以前にも有名な雑誌に執筆したことがあったので、とある有名な出版社で書くチャンスがめぐってきたときも、その挑戦を喜んで受け入れた。

 それからの半年間、彼女はひたすら書いた。夜や週末、さらにコーチングの合間の時間を使って書き続けた。記事のテーマは、クライアントたちが抱えている問題だ。部下にどうやって権限を移譲するか。燃え尽き症候群にはどう対応するか。創造性を高めるにはどうしたらいいか。彼女は、ほかのプロフェッショナルたちも同じような問題に直面しているに違いないと考えたのだ。