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年間売り上げ1515万円に達するトップ1000人のnoterたち。会社員が実践知を売買する市場は活況を呈するが、その裏では「稼げるノウハウ」をうたい欲をあおる不透明なコンテンツがまん延している。有名アカウントが突如停止されるなど、運営側と「情報商材屋」のいたちごっこが続く中、情報の質を担保できなければプラットフォームの信頼は砂上の楼閣と化す。長期連載『メディア興亡』内の特集『note解剖』#7でその最前線を追った。(フリーライター 松田晋吾)
AI活用・副業が前年比3.6倍増
普通の会社員が「1億円」を稼ぐ正体
2026年1月、noteは約30万件の有料記事を対象にその動向を発表した。売り上げが最も伸びたのは「テクノロジー・AI活用」(前年比+268.6%)であり、「SNS・コンテンツ運用」(+258.7%)、「副業・在宅ワーク」(+179.0%)と続いた。ビジネス系ジャンルの強さが際立つ内容となった。
年間売り上げトップ1000に入るクリエイターの平均売り上げは約1515万円。中には1億円を超える個人もいる。しかも、これはベストセラー作家や有名YouTuberだけの話ではない。元会社員、現役サラリーマン、フリーランス――「普通のビジネスパーソン」が自分の知識を記事化し、継続的な収入を得ているのが実態だという。
noteが他のSNSと決定的に異なる点は、コンテンツの「賞味期限」にある。XやInstagramなど多くのSNSでは、投稿の大半が24時間後にほとんど閲覧されなくなるという海外調査がある。いわゆる「フロー型」だ。
一方、noteが独自に調べたところ、公開後に1回以上読まれた記事のうち、約40%が1年後も読み続けられていたという。記事は一度書けば「ストック型の資産」として機能する。
この資産性は、ベストセラー作家や有名YouTuberだけのものではない。ラーメン店主が秘伝のレシピで300万円を稼ぎ、普通の会社員が会食のノウハウで年収500万円の上積みを果たす――。そんな「個人の知」が直接マネタイズされる熱狂が、今まさに起きているのだ。
では実際にどれほどの額が、どのようなジャンルで動いているのか。次ページでは、億単位を稼ぐ猛者から副業サラリーマンまで、驚きの「クリエイター収入実例」と、今まさに爆発的な成長を遂げている「有料記事急上昇カテゴリ」の全貌を、図版と共に詳らかにする。







