ある日、35本の記事を無償で書いていたアンに向かって、編集者がこう言い放った。

「あなたの仕事には満足できない。あなたには革新性がない」と。

「正直に告白すると、泣いてしまった」と彼女は言う。しかしなんとか気を取り直すと、アンは同じような挫折を経験した友人や同僚に電話をして、どうやって立ち直ったのか尋ねた。するとどうやら、そのうちの1人はまだ立ち直っていないようだった。その同僚は、「もう二度と書くつもりはない」とアンに言った。

 アンはすっかり怖くなってしまった。たった一度の拒絶だけで、誰かの創造的な活動が永遠に止まってしまうこともあるのだ。同じ間違いはしないと彼女は心に誓った。それから5カ月、またアンは別のところで書くようになった。前と同じくらい権威あるビジネス雑誌だ。彼女はゲームに復帰することができた。

誰も注目してくれなくても
粘り強く続けることの意味

 認められる専門家になるまでの道は平坦ではない。ただ自分の意見をもう少し聞いてもらうだけでも難しい。初心者はよく、ネットのアンチの心配をする。「誰かに攻撃されたらどうしよう?自分の考えが認められなかったらどうしよう?」と。もちろんその可能性は否定できない。

 とはいえ、何かを始めてから2年くらいは、むしろ正反対の心配をしたほうがいい。それは、「反応がまったくない」ことだ。「本当に『え?誰もいないの?』という感じ。しばらくずっとその状態だった」とアンは言う。

 ブログやポッドキャストを始めても、オーディエンスが誰もいないと感じることがある。こんなに苦労してやる価値はあるのかと疑問に思うこともある。講演したり、記事を書いたり、クライアントにプレゼンしたりするのは、する本人にとっては大きな出来事だ。だが、ほかの人はほとんど気づいていない。そう考えるとがっかりしてしまうだろう。