とはいえアンも言っているように、粘り強く続ければ、注目の「雨粒」がいずれ空から落ちてくる。アンが『ハーバード・ビジネス・レビュー』に書いた記事を気に入ってくれて、ポッドキャストにゲストで出演することになったこともある。やがて、知らない人からリンクトインのつながりリクエストが来るようになった。メールマガジンの購読者が増え、書評を頼まれるようになった。どれも世界を揺るがす大成功というわけではないが、彼女の声が届くようになった証拠であることは間違いない。
奇跡を待つのではなく
「戦略的忍耐」を持つ
最近、アンからメールが来た。執筆を始めてから3年になったところだ。
「最近ちょっと状況が変わってきた。リンクトインに投稿する記事がバズるようになったの。最初の2年は、1つの記事につき閲覧数は100回くらいだった。それでも大喜びだったけど!」
と彼女は書いていた。先月、記事の1つの閲覧数が5万5000回に到達したという。『フォーブス』の記事も1万5000回以上も閲覧された。「前と違うことは何もしていないのに」と彼女は書いていた。だが、本人も自覚しているように、地道に書き続けた結果、知らず知らずのうちに飛躍の素地が固まっていたのだ。
すべては長い目で見ることが必要だ。「長く苦しい道のりだった」と彼女は言う。そして、「この先も、まだまだ努力を続けていかないと」と続ける。地平線の向こうに、成功の輝きがかすかに見える――それはとても気分のいいものだ。
私が主催する「一流エキスパート」のコースでも、ブログなどで自分の意見を発信し始めてから何らかの反応があるまでに、最低でも2、3年はかかると教えている。だから、最初は思いきって飛び込まなければならない。最初のうちは、結果ははっきり出ない。膨大な時間を費やすことにもなる。すぐにあきらめる人、そもそも挑戦もしない人が多いのもしかたないことだ。しかしここで努力できれば、あなたは競争で優位に立てる。
『ロングゲーム 自分を取り戻す人生戦略』(ドリー・クラーク、ディスカヴァー・トゥエンティワン)
このときに必要となるのが「戦略的忍耐」だ。これは、「いいこと」が魔法のように起こるのを待つことではない。必要な努力を理解し、その努力を続けることで、自分の力で「いいこと」を起こす。それができれば、圧倒的な優位に立てる。
もちろん、タイミングは人によってさまざまだ。しかし私の経験から言って、だいたい2、3年もすれば「雨粒」が見えるようになってくる。私のクライアントもほぼ同じ感触だ。小さな勝利が積み重なり、自分が正しい道を進んでいると確信できるようになる。
そして5年もすると、ライバルがはるか後方にいるのが自覚できるようになる。誰かが知りたいことをネットで検索すると、あなたが書いた記事がヒットするようになる。ポッドキャストを聴くと、あなたがゲストで話している。あるいは、講演者を招きたくなったり、ハイレベルの人材やコンサルタントを雇いたくなったりすると、まっ先にあなたの名前が頭に浮かぶというわけだ。







