頭を抱えて落ち込む男性写真はイメージです Photo:PIXTA

SNSで流れてくるキラキラした投稿を見て落ち込んだり、上司からの何げない一言を「嫌われたのかも」と悪い方向に受け取ってしまったり――。そんなふうに、次々とネガティブな考えが頭をよぎり、苦しくなってしまう人は少なくない。なぜ同じ出来事でも、必要以上に落ち込んでしまう人と、気持ちを切り替えて前向きでいられる人がいるのだろうか。精神科医の藤野智哉氏が、認知行動療法の視点から、心を苦しめる「自動思考」との付き合い方を解説する。※本稿は、精神科医の藤野智哉の『人生が自動的にうまくいくレッスン 仕事・人間関係がラクになる認知行動療法のエッセンス』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

脳が作った速報テロップ!?
「自動思考」という魔物

 認知行動療法のキーでもある「自動思考」とは何か、修正するとはどういうことかといった基本をお伝えしていきます。

 たとえば、時間をカン違いして外回りに出てしまい会議に遅刻、上司から「何やってるんだ。みんなの時間はタダじゃないんだぞ」と叱責を受けたとします。

 そのとき、「俺って本当にバカだ」「カレンダーに入れてたのに、確認を忘れてた」「ダメなやつだって思われるだろうな」「そういえば、この前も提出日を間違えたし」「会社員向いてないのかも」「俺がいたら迷惑だよね」「もう辞めようかな」……。

 こんな考えが次々と襲いかかってきて、会議中も上の空。さらに上司から「話をちゃんと聞いてるのか!」と再び叱責を受けることになってしまった。

 こうした負のスパイラルってありますよね。次から次へとネガティブな考えが浮かんで、どんどん苦しくなったり、落ち込んだり。

 この猛スピードで浮かぶ考えを心理学の世界では、「自動思考」と呼んだりします。