自動思考は、じっくり考えた結論ではありません。目の前の出来事が起きた瞬間に「反射的に浮かぶ考えやイメージ」のことです。

 脳が一瞬で作った、「速報テロップ」のようなものと考えるとわかりやすいかもしれませんね。たとえば、

 上司からの「了解です」→《怒っているかも》(ピロン!)

 SNSの幸せそうな写真→《それに比べて私は幸せじゃない》(ピロン!)

 このような感じで、目の前の出来事にすぐに文字が出るイメージです。

意識的に「手動モード」に
修正するクセをつけよう

 この速報テロップは、なかなかやっかいです。

 文字はでかいし、効果音はあるし、だいたいネガティブ寄りだし。

 さらにやっかいなのは、この速報テロップ(自動思考)を、「速報」ではなく「確定情報」だと思い込んでしまうことです。

 事実とは異なることも多いのに、「確定」と思い込んで、さらにその先へと思考を進めてしまうのです。「自動モード」で進んでいるようなものです。

 上司が「怒っているかも」が、いつのまにか「怒っているに違いない」になったり、流れ流れて「自分はダメな人間だ」まで話が飛んだりします。

 赤の他人のSNSの幸せそうな写真を見たときの「私は幸せじゃない」が、「私なんかを誘ってくれる人はいない」になったり、「この先、いいことなんてない」「私は一人寂しく死んでいくんだ」までワープしたりします。

 自動モードにまかせていると、全然違う場所まで走っていってしまうのです。

 ここで大事なのは、「自動モード」を「手動モード」に戻すこと。

 いったん勝手に走るのをやめて、「自動モード」を止めて、

「今、どこに向かってる?」
「最初のこのルート、そもそも合ってた?」
「別ルート、ない?」

 こんなふうに問いかけ、しっかり考えるのです。

 これが、先ほど言った「ズレたまま走らないように、途中で確認しよう」です。

 ぐるぐる悩んだり、イライラが止まらなかったり、うまくいかないことばかりだと思ったときは、いったん立ち止まる。

 そして「ふと浮かんだ自分のこの考え、そもそも合ってる?」「別の考え方、ない?」と問いかけてみる、検証してみる。

 それが認知行動療法の大事なエッセンスかなと思ったりします。