笑顔で会話を交わす高齢女性と支援者写真はイメージです Photo:PIXTA

「年を取れば脳は衰える一方」と思われがちだ。しかし脳機能研究者の川島隆太氏は、適切な刺激を与え続ければ高齢になっても脳は成長すると語る。年齢を重ねても脳が萎縮せず、20代の脳に匹敵する活動を示している人もいる。脳が衰えてヨボヨボ老人になってしまう人と、一体何が違うのか。脳を若々しく保つ習慣の重要性を解説する。※本稿は、脳機能研究者の川島隆太『脳を鍛える!人生は65歳からが面白い』(扶桑社)の一部を抜粋・編集したものです。

60代でも脳年齢は20代の
「スーパーエイジャー」

 多くの人の前頭前野の働きがピークを迎えるのは20歳前後で、その後は直線的に機能が落ちてしまいます。一方で、高齢になっても思考の回転スピードがまったく衰えず、記憶力も若い頃と同じ状態を保っている人がいます。

 脳の研究者の間では、こうした高齢者を「スーパーエイジャー」と呼んでいます。

 いったい彼らの脳は、一般的な人とどう違うのか。米国の研究グループがその疑問に迫りました。

 大部分の人の脳は加齢により萎縮していきます。ところが彼らの研究(Katsumiら Cerebral Cortex 2021)によると、スーパーエイジャーたちの脳は年齢を重ねても萎縮せず、脳活動パターンや神経細胞ネットワークの一部が20代の脳に似ていました。脳が活性化しているときはその部分の血流が増えますが、彼らが何かを記憶し、思い出そうとしているときの脳をfMRI(磁気共鳴機能画像法)で観察したところ、20代の脳に匹敵する活動を示していることがわかったのです。