クマの生態の専門家に話を聞いてみると、クマは夜間に川沿いの雑木林や茂みを「通り道」として市街地を訪れるケースが多いそうです。

 また、山裾と川に挟まれた市街地エリアも要注意。山から下りてきたクマが川沿いのやぶに身を隠しながらエリア内を移動すると考えられているためです。

「85歳以上の女性」が多く住む
地域で遭遇が多い理由

 人口統計からわかる「高齢化」や「過疎化」も重要なキーワードになってきます。研究する中で、AIがクマとの遭遇リスクを予測する重要な特徴として、「85歳以上の女性」の人口が多い地域を抽出していることがわかりました。

 初めはどうしてかわからなかったのですが、これもクマの専門家に聞くと、高齢化が進む地域は耕作放棄地や空き家が多く、放置された庭のカキやクリの木を狙って、クマが来やすい状況になっているとのことでした。

柿の木Photo:PIXTA

 そしてなぜ女性なのか。実際にクマとの遭遇リスクが高い地域で聞き取りをしたところ、男性より女性のほうが庭掃除をしたり、菜園の世話をしたりして自宅周辺の屋外に出ている機会が多い、という話がありました。この屋外活動の差が、遭遇確率を高める要因になっているのではないかと考えています。

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 前述したように、予測するにあたっての重要な要因は、地域の文化や自然によっても異なってきます。

 例えば、住宅が点在する農村地帯では、家ごとに小さな林や植え込みがあることが多く、クマはこうした林をつたいながら移動するケースも多いとされています。

 また、川沿いに限らず、段丘などで木々が細長く連なる場所も、クマが移動経路として利用することがあります。

 自分が住むエリアはもちろん、遠方のご両親や親せきが住む実家の周り、これから行く予定の出張先・旅行先など、クマとの遭遇リスクの確認に役立ててもらい、正しく備えるための一助になればうれしいです。