「世の中の組織は、どんな人を評価しているのだろう?」
人を評価することは難しい。仕事の結果だけでなく、人間性の判断も重要だ。世の中の組織は、どんな人を評価しているのだろう。9年間、総額1億円超をかけて815社17万人の行動と評価データを分析して書かれた『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』(越川慎司著、ダイヤモンド社)からヒントを紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・石井一穂)

「昇進させてはいけない人」の特徴。資料を見ただけでわかる“残念さ”とは?Photo: Adobe Stock

「何がいいたいのか」がわからない残念な資料

 丁寧に情報が集められ、データも整理されている。
 真面目で非の打ちどころがない資料に見える。

 しかし、ページをめくっても「で、結局何が言いたいの?」とため息をつきたくなる資料は多い。

 残念ながら多くの組織において、こうした資料を作る人は昇進できていない。

「相手の時間」を奪うことへの意識が足りていないからだ。

 丁寧なように見える分厚い資料。
 それは要点を理解・把握する手間を読み手に押し付けているとも言える。

 見た目だけを美しく飾り、中身をいたずらに増やし、意思の見えない資料を作る。

 たとえ仕事で結果が出ていても、こういう人は評価と信頼を得られない。

一瞬で「結論」がわかる資料が評価される

 では、多くの組織は、どのような人を評価し、昇進させているのだろうか。

『会社から期待されている人の習慣115』によると、815社17万人のビジネスパーソンの行動と人事評価データを分析した結果、意外な共通点がわかったという。

 同世代より昇進が早い「期待されている人たち」は、資料の冒頭にまず「結論」を書いていたのだ。

 2017年から約9年間にわたり、クライアント企業内で作成されたPowerPoint資料を5万ファイル分析しました。
 すると、期待されている人の30%が、資料の最初に「So what?(だから何?)」を書いているとわかりました。これは一般社員における比率の6倍以上です。
 さらに調べると、冒頭で結論を明示した資料は、そうでない資料に比べて一発OKとなる確率が19%高く、作成時間は18%少なかったこともわかりました。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

「So what? (だから何?)」を最初に明示する。
 これは、忙しい上司や役員に対する最高の気遣いだ。

 この工夫があるからこそ、資料は一発でOKとなり、無駄な修正時間も劇的に減る。

 これは、たんに資料作成だけの話ではない。

 この工夫と気遣いには、つねに「相手の目線になって考える」という姿勢が見てとれる。

 これが、組織が評価し、昇進させたいと考える人の共通点の1つなのである。

(本稿は、書籍『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用したオリジナル記事です)

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。