「自分の居場所は、この先もあるだろうか」
人生は長い。孤独を感じることなく、まわりから必要とされ続けて生きていくにはどうすればいいのだろう。9年間、総額1億円超をかけて17万人以上を徹底分析して得たエビデンスにもとづいて書かれた書籍『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』(越川慎司著、ダイヤモンド社)からヒントを紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・石井一穂)

50代で「社内で孤立する人」の特徴・ベスト1Photo: Adobe Stock

社内で孤立する人は「成果」だけを褒めてきた

 目に見える成果が出たら「すごい!」と褒める。
 誰かの心を動かそうとするとき、そうする人は多い。

 だが、この称賛こそが、相手との間に見えない壁を作り、自分自身を「孤独」へと向かわせているかもしれない。

 結果だけを評価する関わり方は、相手に対して「結果を出さないあなたには価値がない」という無言の条件を突きつけているのと同じだからだ。

 成果が出たときだけ褒められると、相手は「失敗したら見捨てられる」と心を閉ざし、距離を置くようになってしまう。

 頑張って褒めるほど、まわりから人が離れていく。

 これこそが、真面目な人が陥る「称賛の罠」の正体なのだ。

途中の「努力」を認めてあげる

 では、まわりの人と信頼関係を築き、毎日を楽しく過ごしている人は何をしているのだろうか。

『会社から期待されている人の習慣115』によると、815社17万人のビジネスパーソンの行動と評価データを分析した結果、意外な事実がわかったという。

 組織で必要とされ続けている人たちは、部下や周囲の人を「褒める」のではなく、「認める」ようにしていたのだ。

 期待されているリーダーたちの「部下への声かけ」を調査したところ、58%が「褒める」と「認める」を明確に使い分けていることがわかりました。
 褒めて伸ばすことが主流となりつつあるなかで、どう褒めればいいのか、そもそも褒めるべきなのか、と迷うリーダーは増えています。その点、期待されているリーダーたちは「褒める」と「認める」を別のものとして捉えていたのです。
 褒めるとは、成果や能力を称えること。認めるとは、行動やプロセスに価値を見出すこと。この二つを使い分けることで、部下のモチベーションを的確に高めていました。

――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

「見てくれている」という安心感

 同書では、実際に彼らの部下に調査した結果も紹介されている。

 実際に、彼らの部下側の調査もしたところ、回答数7,785名の匿名アンケートで、「すごいね」といった称賛より「助かったよ」という行動承認の方が満足度が34%も高いという結果になりました。同じポジティブな言葉でも、相手への響き方がまったく違っていたのです。
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

「自分の頑張りを、誰かがちゃんと見てくれている」

 その安心感こそが、人の心を動かし、まわりの人を自然と自走させていく。

「認めてもらう」ために頑張るのではない
「認めてくれる」から頑張れる

「努力を認めれば、たしかに部下には好かれるだろう。でも、甘やかしたら本人のためにならないのでは?」

 そう思うだろうか。

 ところが検証データを見ると、部下を認めることは、彼らの行動と成長にもつながっているようだ。

 認められたと認識した社員たちは、会議の発言数が20%以上増し、顧客への提案件数は15%増えるなど、明らかに行動の意欲や量が上がることもわかっています。
――『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より

 結果という目に見える数字だけに振り回されない。
 今ここにあるプロセスを「認める」

 それだけで、本当の意味で心が響き合う、穏やかな関係を取り戻すことができるのである。

(本記事は書籍『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用した記事です)