【相談者の実践報告】
先生の回答を読み終えた瞬間、悲しみが一気に込み上げてきました。二人の別れを想像するだけで、涙が止まらなくなったのです。彼と手をつないで街を歩いたことなど、過去の記憶がよみがえり、胸が締めつけられました。
取り乱した自分に恥ずかしさを覚えながら、落ち着いてから「期日」をいつにするか考えました。
12月31日にします。新しい1年をすっきりした気持ちで迎えるために。その日は、自分を励ましながら新年を迎えようと思います。
そう決めた途端、不思議と気持ちが軽くなりました。ここ最近はずっと、「何が悪かったのか」「これからどうすればいいのか」と考えてばかり。時には投げやりになって、今すぐすべてを終わらせたい衝動に駆られることもありました。けれど今は、その焦りから少し離れられ、自分のために過ごせています。
ずっと欲しかったけど我慢していた物も買いました。夏用のカーペット、着るには少し勇気のいるスカート、スイムウェア、読みたかった本、おいしい食べ物……それから旅行の計画も立てています。
結婚生活は、人生の一部分にすぎません。それよりも私自身の人生のほうがずっと大切です。だから、まずは自分の人生を楽しむことにします。
私たちはなんとなく8年間付き合い、結婚しました。もしかすると結婚すべきではなかったのかもしれません。
以前の彼は、今より感情の起伏が激しく、私たちは別れと復縁を繰り返していました。
ある時期、私は立て続けに大きな問題に直面し、精神的にかなり追い込まれていました。「このままではだめになる」と焦り、不安定な状態のときに彼と再会したのです。そして私は、衝動的に「結婚しない?」と言っていました。
彼には、なかなか直せない欠点があることはわかっていました。それでも私は、彼の愛情に支えられて立ち直り、長く続いていたうつ症状も軽くなりました。だからこそ、彼には感謝していますし、関係を大切に思ってきました。
結婚後も、「あなたのために変わりたい」「うつ状態から抜け出す」と言い続けてきました。症状は改善しましたが、その代わりに私は彼に依存するようになり、そのまま今日まで来てしまったのだと思います。
今回、期限を決めたことで、心に余裕が生まれました。焦りが和らぎ、衝動的に決断して後悔することも防げそうです。彼をもっと客観的に見ることもできる気がしています。
12月31日までの間に、まずは自分らしさを取り戻し、それからゆっくり考えようと思います。
【リ・ソンウェイ先生の解説・コメント】
今回の提案には、「印をつける」という行動がありました。期日を決めるだけでなく、実際にペンでカレンダーに印をつける。そうすれば、毎日その日付が目に入ります。
今回のようなケースでは、誰でも最初の一歩を踏み出すのをためらいます。そこに、「印をつける」という簡単な行動が、確かな変化を生みます。
印があるだけで、「いつ決めるのか」と悩み続ける日々はいったん終わります。すると心に余裕が生まれ、自分を責める気持ちも少しずつ和らいでいきます。
同じような悩みはよく見かけますが、寄せられる助言の多くは「別れなさい」というものです。しかしその言葉は、当事者をかえって追い込み、焦らせてしまいます。当事者は、「自分でも別れるべきだとわかっている。でも決められない。もしかして自分に問題があるのではないか」――そう思ってしまうのです。
このようにプレッシャーの中で無理に決断しようとすれば、問題解決に前向きになれないだけでなく、自分を責め、否定的になるだけです。
ゆっくり考えればいいのです。弱気になろうが躊躇しようが構いません。決断には時間が必要です。今回の相談者と同じように、時間があなたを落ち着かせてくれます。
しかしまず、「印」をつけてからですよ。
(本原稿は、『5%の変化――自分を変える「小さな実験」』(リ・ソンウェイ著、金山まゆみ訳)からの抜粋です)



