落合:過去のものからヒントを得ようとするのは私も同じです。見たことがないものをつくろうとすると、やはり下調べからはじめないといけない。たとえば100年前にAIという道具はないなとか、100年前にこの素材はなかったなとか、ということは100年前にはこんなことがそもそもできなかっただろうといった具合に、いくつかの軸を持って思考していく。
そうして道具や素材などの時代性を炙り出していき、その時代の中で王道だったものは脇に置いて、ちょっと変わっていたものに着目する。王道のものは生まれて当たり前のものであって、あまりおもしろくないことが多い。それよりも王道からちょっと外れたものこそが、100年経っても古びないおもしろさを有していたりする。
それをいまの時代に移し替え、自分流に料理してたら新しいものができるんじゃないかと模索します。
新しいものを生むためには、長いあいだの積み重ねに加えて、最後にひとつ大きなジャンプが必要になります。たとえばコンピューターを創り出すには、長い時間にわたる思考と技術の積み重ねがまずは必要で、さらには最後のひと押しとして、思いもかけぬ思考的・技術的跳躍もなければ完成しなかったはずなのです。
その最後の跳躍が待ち望まれているジャンルは何だろうか、またはどう跳躍すれば最後のひと押しになるだろうか、といったことはよく考えています。
「週刊少年ジャンプ」編集長が
答えたシンプルな掲載条件
田中:見たことのない新しいものは、人に伝わらないんじゃないかという懸念はありませんか。
落合:つくるときはひたすら自分がおもしろがっているだけなので、伝わるかどうかまであまり考えていないのが本当のところですし、伝わらなくてもかまわないくらいの気持ちでやっています。でも、わかりやすくてちゃんと伝わるに越したことはないです。そういうものにできるよう最終的には調整します。







