「働きまくる人」と「進んで休む人」…あなたはどちらの上司についていきますか?【意外と難問】〈風、薫る第66回〉

働きすぎのりんと、率先して休む直美

 直美は、軍人・小川(甲斐翔真)の友人である患者・陣内清(細川岳)に、小川の見舞いの品(ぼたもち)を食べる許可を出す。

「言ってくれれば私が切るので」とまで言って、ぼたもちを小さく切って渡す直美に、「大家さんは看護婦が天職だ!」と褒め称える小川。すっかり直美に心酔している?

 この回、直美は食への気遣いをあちこちで見せる。忙しくて食べている暇がないらしいりんに「一口でも」と包みを渡す。もしかして小川の見舞いの品の横流し? 「一口でも」と言いつつやけに重量感のある包みだった。

 りんはあいかわらず業務以外のことをしている。そんな彼女を見て、生徒の安達タマ(川島鈴遥)は「あんなふうには働けない」。直美は「一ノ瀬先生、看護婦が天職だから」と、さめた口調で返す。

 一方、直美は率先して休んでいる。みんなが休めるようになるためにはまず自分からという考えによるもの。目下、どうも直美の株が上がっている気がする。りんの行動は、ひとりが頑張りすぎると周囲が困ってしまう一例である。

 それでも、りんの献身にも共感できるし、直美の働き方にも学ぶところがある。だからこそ、どちらの上司についていきたいか、それは究極の選択だ。

 昭和〜平成初期だとりんのような熱血、24時間働けますか系が主流で、直美は令和働き方改革系か。どっちにつくかで人生が大きく変わりそう。

 りんの頑張りには理由があった。

 ツヤのことだ。

「あれから余計に根詰めて働くようになっちゃって」と直美。

 フユ(猫背椿)は「私も悔しかったよ。同じ看病婦として期待してたぶん、あんなことになって、でも、そう簡単にはいかないってのはよく分かってるから」。

 りんはせっかくの直美からの包みに手をつけないまま授業に入る。ちょうど食に関する授業でおなかが空いてしまう。笑い事ではない。

 ヒデは、山本の状況(これも食事の話)を報告するついでに、りんに「先生は、看護の仕事が天職だと思ってますか?」と質問する。

「天職にしたいと思ってる。看護婦の仕事は好きで楽しいから」

 りんの答えにヒデは「一ノ瀬先生は今、看護婦になって楽しいんですね」と眉をひそめる。

 好きで楽しい。この回答、ヒデでなくても、ん?となるものだろう。

 それこそ、朝ドラの視聴者のなかには、看護の仕事を「楽しい」と簡単にまとめてしまうのはいかがなものかと思う人たちもいるだろう。つまりこれはりんはほんとうにそう思ったのではなく、問題提起と考えたほうがよさそうだ。

 結局、りんが直美からもらった包み(大きなおにぎりが2個入っていた)をあけたのは当直の夜。やばいよ、ツヤのようにふらふらになってしまうよ。