西尾:相撲の世界普及に向けてのネックとして、例えば肌を出すということに関してはいかがでしょうか?

白鵬:まわしを付けるのが基本だと思いますが、宗教的な問題もありますからね。女性部門もありますし。国際ルールに合わせていくことになると思います。

西尾:選手がまわしを付けること自体にも技術が必要だと思いますが、この点はいかがですか?

白鵬:「白鵬アカデミー」(編集部注/審判技術の向上と相撲の普及を目的とした、白鵬主催のプロジェクト)でも教えますし、あとは「ベルトまわし」という簡易的に身に付けられるまわしを開発して、既に実用化しています。そうした努力が実ったのか、前回の白鵬杯(編集部注/白鵬が現役時代から主催している相撲大会)では、全参加者1700人のうち、女性が350人も参加してくれたんです。すごく自信になりましたね。

英語版のガイドブック制作で
相撲の基礎を広めたい

西尾:男性のみのころの参加者は1200人ほどですから、凄いことです。それと環境の整備の面についても。最近では各地で土俵が消滅し、相撲が取れる環境が減っているという話もありますが?

白鵬:最近SNSでアンケートを取ってわかったのですが、近所に土の土俵がある環境の選手のほうが大会でよい結果を出していたのです。それほど環境っていうのは大事なんだなと。土俵については、簡易的に設置できるマットを開発していて、すでに白鵬杯でも活用しています。幼児用のものについてはクッション素材を入れたり、安全面も考慮しています。

西尾:環境に左右されないものをハード面から整備していくというのは大事な試みだと思います。そのほかネックになりそうなものに対して着手していることは?

白鵬:相撲のガイドブックを英語版・日本語版で制作できればと思っています。最近空手の達人の方とお話しする機会があり、その方のお話でなるほどと思ったのが、「本当の真剣勝負というのは実は時間が短いんだ」ということ。相撲も同じで、早ければ一発か、5秒から10秒で勝負がつく。そのわずかな時間に力を出し切るには、どんなトレーニングが必要なのかをしっかり伝えられたらと思っています。