西尾:そのガイドブック、すごく読んでみたいです。具体的にはどんな内容が収録される予定ですか?四股やテッポウのような基本以外もありますよね。
白鵬:例えばまわしの切り方とか、実践的な技術についても掲載したいですね。四股についても、「白鵬アカデミー」で教えるように6段階のレベルが定義される予定です。
相撲がオリンピックの
正式種目に採用されるためには
西尾:ガイドブックに沿ってトレーニングをしたら相撲全体のレベルが高まっていくはずですね。最後に、白鵬さんが描いている「相撲グランドスラム構想」についてお聞かせください。これは「白鵬杯」とは異なるもの、ということでしょうか?
白鵬:はい。相撲を世界に普及させ、オリンピックの正式種目への採用をめざすための取り組みでもあります。オリンピックに採用されていない競技の世界大会で、その補完的な役割を担っている「ワールドゲームズ」という大会があります。この大会は、オリンピック同様、4年に1回行われている大会で、国際オリンピック委員会(IOC)が後援しています。私が顧問を務めている国際相撲連盟は、すでに加盟しています。
ここから、さらに採用の可能性を高めるために、IOCのメンバーの皆さんの耳に届くような取り組みが必要だと考えています。テニスの4大大会のような打ち出しを考えています。
世界相撲選手権には体重制がありますが、いちばん注目を集めるのは無差別級です。そこで、世界の150カ国の相撲のチャンピオンをスカウトして参加してもらう。昔の世界相撲選手権大会でもモンゴルのチャンピオンと、当時のチャンピオンでアメリカのヤーブローが対戦して、モンゴル中の国民が観ていたんですよ。
『7つのキーワードでまるわかり 大相撲 サンクチュアリの深淵』(西尾克洋著、白鵬監修、主婦と生活社)
西尾:たしかに。そういう大会が実現したら「うちの国でいちばん強いやつはいったいどれくらいの実力か?」ってなりますね。世界チャンピオンに日本のアマチュアチャンピオンが敗れたら、もうそれは横綱が出ていくしかないじゃないですか!
白鵬:自分たちの国の相撲もそうですけど、世界大会にも参加する。相撲で飯が食えるとなったら盛り上がると思うんですね。相撲で重んじられている礼節も伝わり、世界に平和が広がればと思います。
少し話は逸れますが、ロシアのプーチン大統領と柔道の山下泰裕さんは対等に話をしていました。政治や国の中でも伝統文化が持つ力というのは非常に大きなものです。1972年に田中角栄さんが中国に行った翌年には、中国で大相撲公演が行われているんです。
西尾:凄いスケールの話ですね。今お話しされていることが徐々に形になって、相撲が盛り上がり、相撲を通じて世界が繋がって、平和を実現していくような姿を期待したいと思います。







