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日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」をコンプライアンス、リスクマネジメントのエキスパートである秋山進氏が症例を挙げて紹介してきた本連載が、連載12年を経て最終回を迎える。これまでの集大成として、AI時代をいかに生きるべきかを解説する。(プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役 秋山 進、構成/ライター 奥田由意)
「ちゃんとやっていれば、誰かが見ている」という前提
連載最後の記事となります。これまでお読みいただき有難うございました。
12年間、組織と人間と働き方について書いてきました。扱ったテーマはさまざまでしたが、結局のところ、私は一つの問いを追い続けてきたのだと思います。
――人間の中身と、社会の評価装置はなぜこれほどズレるのか。
組織は、しばしば人を正しく見ません。まじめに働く人が報われず、うまく立ち回る人が先に評価される。実際に現場を支えた人よりも、成果を上手に語った人が目立つ。責任を引き受けた人よりも、責任から距離を取った人がきれいな経歴を保つ。
このズレは昔からありました。ただ近年、そのズレの形が大きく変わってきたように思います。
昔の会社員社会には、年功序列、長時間労働、同調圧力、理不尽な上下関係など、多くの問題がありました。決して理想化できるものではありません。
それでも、「ちゃんとやっていれば、誰かが見ている」という一つの前提がありました。もちろん、見ていない人もいたし、見ていても評価しない会社もありました。しかし、同じ組織で長く働くことが前提だった時代には、人の働きぶりは時間とともに蓄積されました。
逃げる人か、引き受ける人か。責任を取る人か、押しつける人か。会議では立派だが、実行段階になると消える人か。部下の成果を奪う人か、部下を前に出す人か。
こうしたことは職務経歴書には書けませんが、同じ空間で働いていれば、少しずつ見えてくる。昔の会社には、社内の長期記憶という評価装置があったのです。







