「あの人についていきたい」と部下から思われる。困ったときには相談され、チームのみんなから信頼される。たしかに、理想的なリーダー像に見えます。しかし、「ついていきたいと思われたい」という気持ちが強くなるほど、マネジメントは間違った方向に進んでしまいます。この連載では、書籍『リーダーの仮面』のエッセンスをもとに全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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ダメな上司、本当にいい上司
「部下から慕われる上司になりたい」
管理職になれば、そう考える人も多いでしょう。
「あの人についていきたい」と部下から思われる。困ったときには相談され、チームのみんなから信頼される。たしかに、理想的なリーダー像に見えます。
しかし、「ついていきたいと思われたい」という気持ちが強くなるほど、マネジメントは間違った方向に進んでしまいます。
では、本当にいい上司は、部下に何を与えるのでしょうか。
「ついていきたい」と思われなくていい
『リーダーの仮面』という本で、私は次のように書きました。
人は、「メリットを感じたとき」に利益についていくものです。
「いい人なんだけど、この人についていっても成長できなそうだな……」
そう思われてしまうと、途端に部下たちは離れていきます。
リーダーがすべきことは、部下たちを「組織の利益」に向かわせることです。
大きなマンモスの肉が「組織の利益」であることを認識させ、そこから「個人の利益」が発生する。それが正しい順番です。
そんな世の中の仕組みに則って、リーダーの言動を正していきましょう。
――『リーダーの仮面』より
「ついていきたいと思われたい」という気持ちの裏側には、「嫌われたくない」という感情があります。
その感情を持ったままマネジメントすると、部下に厳しいことを言えなくなります。
目標を達成していなくても、「まあ、今回は仕方ないよ」と許してしまう。
改善すべき点があっても、「頑張っているから」と目をつぶってしまう。
それでは、部下は成長できません。
部下は「上司」についていくのではない
そもそも、部下が会社で働いているのは、上司についていくためではありません。
仕事を通して成果を出し、自分自身も成長し、その対価を得るためです。
だから、本当にいい上司が考えるべきなのは、「どうすれば自分を好きになってもらえるか」ではありません。
「どうすれば、この人が成果を出せるようになるか」です。
必要な目標を設定する。
できていなければ指摘する。
成果を出したら、正しく評価する。
その積み重ねによって、「この環境にいれば成長できる」というメリットが生まれます。
結果として部下がついてくるのであって、「ついてこさせること」を目的にしてはいけないのです。
「いい人」より「成長させる人」になる
「いい上司」と聞くと、優しくて、話を聞いてくれて、困ったときに助けてくれる人をイメージするかもしれません。
しかし、それだけでは不十分です。
どれだけ人柄がよくても、その人の下で成果を出せず、成長もできないのであれば、部下にとって長期的なメリットはありません。
反対に、ときには厳しいことを言われても、「この人の下にいると成長できる」と感じられる上司には価値があります。
そのためには、部下の機嫌ではなく、部下の成長を見ることです。
「嫌われないこと」より、「成果を出させること」を優先する。
それが管理職としての役割です。
「仮面」をかぶれ
ダメな上司は、「自分についてきてほしい」と考えます。
本当にいい上司は、「組織の利益についてきてほしい」と考えます。
部下に好かれることを目的にせず、組織の成果を生み出し、その成果が部下自身の成長や利益につながる環境をつくる。
そうすれば、「ついてきてほしい」と願わなくても、結果として人はついてきます。だからこそリーダーは仮面をかぶりましょう。




