フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

「EVって、どれに乗っても結局は全部同じなんですよ」――EV嫌いの評論家の発言ではない。ホンダでEVを開発する張本人、赤峰さんがインタビュー中にポツリと漏らした本音である。ならばSuper-ONEの「95馬力」という数字はどう決まったのか。なぜEVなのにエンジン音を残したのか。開発者インタビュー後編をお届けする。(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)

EVはどれに乗っても全部同じ?

「EVって、どれに乗っても結局は全部同じなんですよ」

 EV嫌いの評論家の発言ではない。ガソリン原理主義者のオッサンの発言でもない。無論、不肖フェルの心の中でもない。ホンダでEVを開発しているエンジニア、赤峰さんがインタビュー中にポツリと呟いた言葉である。ホンダEVの明日を担う重責のお方が、なんてことを……。

 先々週はホンダの軽EV「N-ONE e:」の試乗記を、その前の週はこのクルマをベースに誕生したEV「Super-ONE」の試乗記をお送りした。今回は、「N-ONE e:」と「Super-ONE」開発者インタビューの続きをお送りする。

ホンダ「N-ONE e:」ホンダ「N-ONE e:」は、軽自動車規格のEV(広報画像)
ホンダ「Super-ONE」N-ONE e:をベースに造られた普通車EV、ホンダ「Super-ONE」(広報画像)

本田技術研究所 チーフエンジニア 四輪研究開発センター 機種開発LPL室 機種開発推進ブロック 赤峰宏平さん(以下、赤):我々がこのEVの企画を始めた頃、BYDさんなんかの海外勢も含め、他社のEVを片端から乗っていったんですね。どこの会社のも、とてもよくできている。しっかり仕上がっている。でも一方で、どれも同じに感じちゃう。

 EVってどれに乗っても、どこのメーカーのに乗ってもみんな同じ。ブラインドテストをしたら、どれがどれだかサッパリ分からない。数を乗るに従って、「これからEVはどうなるんだろう……」と、釈然としないモヤモヤ感が生まれてきました。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):EVはどこも同じ!それをEVを造っている張本人が言いますか(驚)。

赤:はい。それが偽らざるところの僕らのホンネです。でも……