自分が努力するより難しい…〈部下を持って初めて知る現実〉にぐうの音も出ない〈風、薫る第68回〉

チュウが団子屋の主人に?

「相変わらずろくでもない」と直美。

 出てくるたびに悪いことに首を突っ込んでいる寛太は、『ゲゲゲの鬼太郎』におけるねずみ男のイケメンバージョンのようだ。ねずみ男は悪さばかりしているが、なぜか毎回ゆるされている。

 寛太は記念碑詐欺の手を西方面にまで広げ、その結果、熱海で、直美のお守りの神社・浦崎八幡を見つけてきた。

 たまたま熱海にも寄ったのか、直美の頼みを聞くために詐欺を口実に熱海まで行ったのか、寛太の真意はわからない。

 地元では安産祈願で知られる神社で、直美の母親は安産を願っていた(直美が無事生まれることを願っていた)のではないかと寛太はうれしいことを言う。

 ところが直美は「もう母親のことはいいかなって」とそっけない。

 これでは寛太はおもしろくないだろう。

「あの一家と家族ごっこで満たされてるか?」「今度は鹿鳴館じゃなくて、このうちに潜り込んで」などと嫌味を言っていると、一部始終を台所から盗み聞きしていたりんが、外に出てきた。

「引っ越し先にいらしてください」「直美さんも家族みんなで引っ越しますんで、そちらへいらしてください」

 これはりんの精一杯の、家族ごっこなんかじゃないというアピールだろう。

 それにしても、『風、薫る』は立ち聞き、盗み聞きが多すぎる。それが朝ドラあるあるとはいえ、頻度が高い気がする。

 はたして、寛太は引っ越し先に来るだろうか。そのうち寛太もりんの家に居候しちゃうんじゃないだろうか。

 こうして、直美はりんたちと引っ越しすることになった。引っ越し当日、荷造りがうまくできない直美に代わってちゃっちゃとやるりん。

 手を動かすことはりん。頭を使うことは直美。

「向いてること やればいいじゃない」

 ふたりは補い合うようになっていた。今週急にバディ感が強く描かれていると感じたのは、このシーンに向けていたのだろう。

 チュウ(若林時英)は荷車を引いて引っ越しの手伝い。なんと彼は団子屋を継いでいた。出演者が整理されていく。

 りんのご近所さん、丸山礼演じる中山マツやその息子・宗太たちもこれで退場なのだろうか。

 りんたちは引っ越し、チュウは団子屋の主人に。寛太は詐欺の稼ぎ時。それぞれの進路をゆくなか、その頃、シマケン(佐野晶哉)は綿貫(小松和重)から書評を書かないかと勧められていた。