日本人の想像を超える
中国のサッカー人気

 日本では、中国の人気スポーツといえば、卓球やバレーボール、バスケットボールなどのイメージが強いかもしれない。しかし実際には、中国人のサッカーへの情熱は想像以上のものだ。

 老若男女を問わず、熱狂的なサッカーファンが非常に多い。国内外の試合を観戦することが日常的であり、各地の人気試合のチケットは入手困難な状況が続いている。そのため、当然ながら4年に一度のワールドカップは中国人にとって、かなり重要なお祭りであり、大きな楽しみなのである。

 もともと、今回のワールドカップの中国本土での放映をめぐり、中国のサッカーファンはやきもきしていた。FIFAが提示した放映権料は、CCTV(中国中央テレビ)の予算を大きく上回り、交渉が難航した。開幕直前になってようやく決着がつき、提示額の約5分の1まで値切ることに成功したと報じられた(5月16日 AP通信)。このニュースに中国のサッカーファンから歓喜の声が上がった。

 W杯の開催期間中、開催国との時差で深夜帯の試合が多いが、そんなことはまったく問題にならない。

 会社員であれば、夜更かしして観戦し、翌日の出勤に遅刻しても、日中に居眠りしても、上司から叱られることがない。なぜなら、上司自身も同じことをしているからだ。個人商店主は観戦を優先し、早く店を閉じて、商売は二の次にする。都会のバーでは、サポーターが集まり観戦する。笑いも涙も共有し、その一つひとつの瞬間を楽しむというわけだ。

 こんなサッカー好きな中国人ではあるが、中国男子サッカー代表は2002年に一度だけ本大会出場の夢をかなえたものの、その後は20年以上にわたって出場を逃し続けている。

 少年だったファンが白髪になるまで待ち続ける。それほど長い時間が過ぎてもなお、ファンたちは長年自国代表に愛情を注ぎ、夜を徹して試合を見たり、雨の中を遠征したりして応援してきた。なんとかチームが復活し、強くなってほしいと期待してきたが、その期待は裏切られ続けている。