ドイツやスペインを撃破した日本
アジア人でも良いサッカーができる

 中国の男子サッカーは長年にわたって低迷している。さまざまな原因があるが、よく指摘されるのは、体制や汚職の問題、さらに各方面に根深く利害関係が絡まっているという点だ。14億人の中からわずか11人を選び出せないことが、中国人にとっては痛恨の極みであるに違いない。

 近年、中国代表チームには「ナマコチーム」というあだ名がつけられている。選手の体力回復や栄養補給のため、日常の食事に高級食材であるナマコが数多く取り入れられていると報じられたためである。手厚い待遇と多額の報酬を受けながらもそれに見合う成果が出ていないことに対して、国民からの強烈な皮肉が込められている。

 こうした背景があって、「冴えない」自国代表を「恨鉄不成鋼(鉄が鋼にならないことへの歯がゆさ)」‌という思いで見つめる一方で、日本サッカーの躍進に複雑な想いを抱く人も決して少なくないだろう。

 日本は組織的な強化によって着実にワールドカップ出場を重ねてきた。その実力を認めなければならない。多くの中国人は今では、日本代表がドイツやスペインなどの世界的な強豪を相次いで破り、W杯の常連国にまで成長したことに心から敬服しているのだ。

 また、これまでアジア人は西洋人と比べ、身体的な特徴からサッカーでは不利な点が多いとされてきた。それにもかかわらず、今や日本が世界の舞台の中心に立っていることで、世界に「アジア人でも良いサッカーができる」と示すことができている。これはアジアサッカー全体にとって良いことであり、「だから日本を応援する」という気持ちにつながっている。

 ある中国のベテランサポーターはSNSで次のような投稿した。

「日本代表がロスタイムでも全力でプレスをかけ続けている姿を見て、ふと20年前の中国代表にも、ブラジルを相手に真っ向から攻め合った時代があったことを思い出した。日本代表が歩んできた道は、実は私たちがかつて最後まで歩み切れなかった道なのだと思う。今日、私は彼らに心から『頑張れ』と声援を送りたい」

 この投稿には10万を超える「いいね」がつき、コメント欄では多くのサポーターが「日本代表の活躍に心から敬服し、学ぶべき点が多い」と書き込んだ。

 ゆえに、今現在、日本代表が中国のSNSでの「主役」となり、話題が絶えない。