事実、自分の親しい人がそれを実行しようとした。私は、「上がるつもりで買った不動産でも、下落することもあるだろうし、ローンの元利を着実に返済しつつ、「下がってもそこで住み続けたい」と思えるような不動産を買うべきでしょう」とコメントしたように思う。

米国債券への
投資を決断したワケ

 円/ドルレートの行方についても、ときどき聞かれることがある。

 実質金利差と実質為替レートの関係を診ると、長期の実質為替レートが大きく円安にふれてきたところまでははっきりといえるのであるが、さらに円安になるのかどうかはわからない。私自身も、債券投資で為替の厄介な問題に直面した。事情が複雑なので詳しく話せないが、長期の債券運用に近いことを考えなければならなくなった。

 23年ごろ、10年物国債の米日金利差は4%に迫っていた。そこで思い切って米国債券で長期投資をしようと考えた。米日の金利差がおよそ3%と考えて、10年間運用すると、単利で3%×10となって30%の運用利回り差になる。

 10年先の名目為替レートが30%、円高になって運用が日米で運用がトントンになり、それよりも、円高が進めば、米国で運用したことでかえって損になってしまう。

 当時の円/ドルレートは150円前後だったので、10年先に1ドル105円(150円×(1-0.3))まで円高になれば金利差分が吹っ飛び、手数料などを差し引けば、持ち出しになってしまう。そんな円高見通しではあったが、90年代以降、80円から160円の範囲で動いてきた円相場を考えれば、100円だって、90円だってありえないことではないと思っていた。

 そこでふと考えたのは、かなりの円高になったときには、「日本国民として豊かになっているわけなので、それはそれでよしとしよう」というようなことだった。

 結局、米国債券の投資を決断した。

値下がりしても納得できる
株式投資先の条件とは

 株式投資については、「失敗しても納得」と達観するのがとてもむずかしいのかもしれない。