ずばり、「中間需要に恵まれない」ことだ。高速鉄道に限らず鉄道は、始発と終点の間に駅を設けることで各都市の需要を拾うことが強み。しかしオーストラリアの場合、一定の規模の都市が連続して続かない。
同国のシンクタンクの報告書は、「人口は広く分散し、しかも少ないことから高速鉄道に向かない。シドニー~メルボルン間は100万人以上を擁する隣接した2都市間において、世界で2番目に離れている」(グラッタン研究所)と結論づけている。
シドニー~メルボルン~ブリスベンの距離は、東京~広島に相当する。東海道・山陽新幹線の同区間には横浜、名古屋、京都、大阪、神戸と大都市が続き、莫大な中間需要が存在することが大きな収益をもたらしている。
同様に、中国の数少ない黒字路線である京滬高速鉄道(北京~上海間)、韓国の京釜高速線(ソウル~釜山間)、台湾高速鉄道線(台北~高雄間)でもこの法則が当てはまる。
しかし、ニューカッスルやキャンベラはそれなりに大きな都市ではあるものの、東アジアで成功している高速鉄道のように人口100万人以上の都市がいくつも続かない。下の図解でまとめたように、その違いは一目瞭然だ。
各種資料を基に筆者作成拡大画像表示
オーストラリアの高速鉄道は、現在の計画では短すぎるし、延長しても中間需要が期待できない。これでは、中国が主導し大赤字のインドネシア高速鉄道と似た状況だ。採算性を疑問視されても当然だといえるだろう。







