日本勢が重視すべきは?
中国と同じ失敗をしないためにも…
こうして需要動向や地理的条件を踏まえると「日本がオーストラリアに新幹線を輸出できる」というのは、東南アジア諸国に比べれば可能性はあるが、絶対そうすべきとは言いにくいと筆者は考える。
まず、高速鉄道の駅の立地が人々の利便性に適うか、高頻度の運転になるか、時間に正確か、車内は快適か、などの強みを持ち、単なる都市間移動ではない需要創出につながれば、高速鉄道の大義名分は果たされる。逆にそれがなければ、計画自体にあまり意味がない。
また、新幹線方式が採用されれば技術移転を行うそうだが、この場合、工場は現地に置かれる。車両やシステムの輸出は初期段階のみ。日本勢としてはこれらの収益について、あまり過度な期待をしないほうがいいだろう。この点を見誤ると、インドネシア高速鉄道における中国勢と同じ失敗を犯すことになりかねない。
「日本が誇る新幹線を世界に広げよう」とただ声高に叫ぶのではなく、現地の交通事情の改善に貢献できるのか、日本の利得になるのかを冷静に分析したい。
>>関連記事『インドネシア高速鉄道だけじゃなかった…!東南アジアで次々苦境、中国主導の「3大ダメ構造」とは?』
>>続く関連記事『「インドネシアは日本の新幹線を選ぶべきだった」と言う人が知らない、中国高速鉄道が東南アジアで苦戦する本当の理由』








