さすがにビザが下りる割合はかなり低いと聞いてはいるが、中国の急激に進む高齢化の流れは間違いなく日本にも影響するだろう。

 なにしろ日本の10倍の人口があり、急激な高齢化で介護の問題も表面化している。いくら割合が低いと言っても、「病気があれば親を呼び寄せることが可能」という現行制度のままではどうなることかと思ってしまう。

『外国人患者:医療ツーリズムと日本の現実』書影外国人患者:医療ツーリズムと日本の現実』(山田秀臣、新潮社)

 一度ビザが下りれば、その人が亡くなるまで医療費や介護費の面倒を日本が見るに等しく、これが果たして適切なのかと首を捻らざるを得ない。

 こうした「老親扶養ビザ」を取得する場合には、親などを扶養家族として健康保険等の社会保障サービスに加入できないようにするなど、法改正や社会保障利用の制限が必要ではないだろうか。

 親を1人、母国に残したままというのは確かに心苦しいだろうし、医療費を全額負担するとなれば重荷となるだろう。

 だが、厳しいようだが、日本の健康保険制度や介護保険制度は日本に住んできた人たちの「いざというとき」のために作られ、維持されてきたものだ。

 社会保障サービスに入れなくても親を日本に呼びたいのか、という選択にしなければならないのではないだろうか。