情報の内容だけでなく、誰が発信しているのかという視点も欠かせないと指摘する。

「SNSの匿名アカウントを、無闇に信じてはいけません。特定の情報源に頼らず、比較的信頼できる情報源をいくつか持っておくことをおすすめします。私も検証してきましたが、マスメディアが誤った情報を報じた例もありますし、政府が自分たちに都合のいい情報を発信するケースもあります。とはいえ、『マスメディアは全部間違っていて、ネットにこそ真実がある』という簡単な話でもありません」

 誤情報に踊らされないための心構えとして、過敏に何かを煽るような情報は避けるのもポイントだ。ただし、誤情報があふれているからといって情報から距離を置くべきではないと古田氏は指摘する。

「情報を信じて何か行動しようと思うなら、一度立ち止まりましょう。『いいね』を押す、拡散するなど、行動につなげるのであれば検証をしてほしいです。皆さん、旅行に行くときは口コミだけで宿を決めませんよね。公式サイトも見るし、SNSも見るし、いろいろな情報を比べるはず。情報も同じです。AIで作られた情報が多すぎて、ニュースを見るのも面倒だと思ってしまう気持ちは分かります。でも、結局のところ人は情報に基づいて生きていくしかないんです」

 ビジネスの現場においても、SNS上の真偽不明な映像一つで、企業の株価が乱高下したり、不買運動に発展したりするリスクは日常化している。もはや誰にとっても他人事ではないのだ。

 AIの進化によって真偽の判断が難しい情報は今後さらに増えていくだろう。だからこそ複数の情報を見比べながら、自ら確かめ、考え、選び続ける泥臭い情報スクリーニングの姿勢こそ、AI時代を生きる最強の防御策となるのだ。