(注1)Diwas S. KC, Bradley R. Staats, Maryam Kouchaki, and Francesca Gino (2017) Task Selection and Workload: A Focus on Completing Easy Tasks Hurts Long-Term Performance

朝イチは簡単なタスクから
手をつけた方が効果的

 ハーバード・ビジネス・スクールの研究を見てみましょう。

 研究チームは、様々な業種から500人のビジネスパーソンを集め、以下の3つのグループに分けました(前掲、注1)。

〈1〉朝に1日のタスクをすべて書き出し、重要で大変なタスクから作業をこなしていく

〈2〉朝に1日のタスクをすべて書き出してリストの順番どおりにこなしていき、ひとつの作業を終えたらチェックを入れる

〈3〉朝に1日のタスクをすべて書き出し、簡単なタスクをリストの先頭にまとめ、その順番どおりに作業を進める

 実験終了後、すべての被験者の仕事ぶりを記録したところ、タスクの達成量がもっとも多かったのは〈3〉の「達成バイアス」を利用したグループでした。1日の最初に簡単なタスクをこなした被験者はみんな集中力が上がり、最後には仕事への満足感も改善したというから、すばらしい成果です。

「達成バイアス」で集中力が上がるのは、脳内ホルモンの分泌が大きな原因です。

 まず、簡単なタスクをこなすとその時点で獣(編集部注/人間の本能的な欲求をコントロールする脳の「辺縁系」と呼ばれる部位を本記事では「獣」と比喩で表現している)は大きな達成感を覚え、脳内にドーパミンという神経伝達物質が大量に分泌されます。

 ドーパミンには注意力やモチベーションを引き出す働きがあるため、タスクを終えた直後からあなたの集中力は一気にアップ。その勢いが次のタスクにも良い影響を与えて、最終的な成果も上がりやすくなります。「達成バイアス」のおかげで、集中力がキャリーオーバーされたわけです。