1日のはじめに行うタスクはなんでも構いませんが、メール返信や請求書の作成のように、5分前後で片がつくようなものを選んでください。それに加えて、日常の業務が少しだけでも前に進むようなタスクならベストです。
たとえば、「デイリータスク選択」(編集部注/もっとも締め切りが近い目標を選び、それを達成するために毎日やるべきタスクを考えること)で書き出した作業のなかから「すぐに達成できそうなもの」をピックアップし、1日のはじめに持ってくるのもいいでしょう。それだけで、「達成バイアス」は獣のパワーブースターとして働いてくれます。
記録するだけで
集中力が上がる!?
正しい儀式を作るもうひとつの方法は、「記録」です。
日記、ブログ、家計簿、体重の変化など、記録の内容は問いません。なんらかのデータを定期的に残し続ける行為は、いずれも集中力アップの儀式として機能してくれます。「集中力アップのために家計簿をつけましょう!」と言われてピンとくる人は少ないでしょうが、すでに複数の研究がその効果を示しています。
たとえば、ある実験では、被験者たちに家計簿サイトを使って日々の支出を記録するように指示。4カ月後に認知テストを行ったところ、家計簿を細かくつけた人ほど主観的なストレスが減り、普段の仕事にも気を散らさずに取り組めるようになっていました(注2)。
記録をつけただけで集中力が上がるというのだから、なんとも不思議な現象でしょう。
このような現象が起きるのは、「達成バイアス」の項でも見たドーパミンが大きな理由のひとつです。記録のように簡単なタスクは獣に手頃な達成感を与え、集中力をブーストしてくれます。
しかし、ここでさらに大きなポイントは「自己効力感」です。記録の継続には、あなたのなかに「自分はできる人間なのだ」との感覚を増やす働きがあるのです。手短にメカニズムを説明しましょう。
まず、どんなに小さな記録だろうが、ひたすら長く続けるうちに、獣が「この作業はとても大事なことに違いない」と思い始めます。反復によって、最初はなんとも思わなかった記録の内容が重要性を増した状態です。







