都市圏での家賃は未曽有の大幅上昇となっている。マンション価格が高騰すれば、ファミリー世帯の賃貸比率は高くなり、賃貸住宅市場の需給は逼迫し、家賃は高騰する。この傾向が止められないのは、ファミリー向けの賃貸ストックの少なさが決定的要因となっている。

 これまでこうしたファミリー向け賃貸住宅を作ってきたのは、主としてUR(独立行政法人都市再生機構)であり、民業圧迫とされて最近の新規供給はほぼない。こうしてファミリー家賃は高騰の一途をたどることは必至となっている。

 これは東京や首都圏だけの話ではなく、大阪市、福岡市など全国的に集客力のある都市はほぼ同じ傾向にある。

空き家が増えている今でも
家賃が高騰し続ける理由

「人口減少していて、空き家が多い日本で新築の住宅着工が多過ぎる」という論調はよく聞く。そうした情報を信じると「不動産価格は下がるはずだ」「家賃が上がるはずがない」と思ってしまう。

 私は全く逆だと主張している。それは単に、現実の数字を確認するだけでいい。

 まず、人口が減少しようが、日本中で世帯数は増えており、世帯数の分だけ家が新たに必要になるので賃貸住宅の稼働率は上がっている。日本全体では1年間で、総人口は53万人減って(2024年)いるが、総世帯数は51万増えている。この51万の世帯に住宅が新たに必要になる。

 このように需要が増えるだけでなく、供給側のストックは古いものから失われていっている。アパートなら築25年、マンションなら築50年が経過すると、人が住める状態に維持するのが難しく、入居者の募集すらされなくなっていく。

 この数は現在の着工戸数の約半数に上る。2013~2018年度の都区部の着工戸数は56万戸だったが、住宅ストック戸数は29万戸減少し(住宅・土地統計調査)、世帯数は28.4万世帯増えた。56-29-28.4=-1.4、すなわち1.4万戸の空室が減少したことを意味する。この傾向はその後も続いている。