鈴木修氏(2024年逝去)と鈴木俊宏・スズキ社長(右) Photo:JIJI
トヨタ自動車と同じく自動車業界で世襲経営をしているのが、スズキだ。カリスマ経営者の鈴木修氏が亡くなって1年半が経った今、長男で社長の俊宏氏は、修氏に対して何を思うのか?修氏と俊宏氏に取材した際の発言から、父と息子の経営スタイルの違いを考察する。(佃モビリティ総研代表 佃 義夫)
スズキ食堂インドカレーのヒットに続け
「鈴木修 語録かるた」爆誕!その中身は?
スズキが「鈴木修 語録かるた」なる商品を発売したのだが、これが実に面白い。元相談役の鈴木修氏(2024年逝去)の言葉や考え方などを読み札に、親しみやすいイラストを絵札にし、かるたを作成したのだ。
修氏は自著や取材、記者会見などにおいて、自らの言葉で人生論や経営哲学を語ってきた。時に名言ならぬ“迷言”といわれるほど斬新で、ユーモアにあふれ、物事の核心を突き、人々に新たな気付きを与えた。今般のかるたにもなった言葉から、いくつか紹介しよう。
「鈴木修 語録かるた」パッケージ画像
「軽自動車は芸術品」
(新車発表会にて)制限の中で挑戦した。軽自動車は芸術品だ。
「偉ぶるな現場には金が落ちている」
メーカー(の社長)は社長室に居ては、コストダウンはできない、の意味。
「それならエンジンを取ったらどうだ」
1979年発売「アルト」のコストダウンにかける思いを技術陣に伝えた時の言葉。
「光と重力はタダだ」
(工場監査にて)わざわざ蛍光灯を付けなくても太陽の光で明るくなるように設計したほうがいい。コンベヤーを設けなくても、重力で落ちてくるようにすればいい。
「年齢は七掛け」
(販売店向け講演で)今70歳だから49歳、男盛り、働き盛りです。
「忙しくて死ぬ暇がない」
健康の秘訣は?という質問に、このように回答。
全部で45枚あり、どれもイラストや解説が分かりやすく面白い。大人用と子ども用が用意されていることからも、本気度が伝わってくる。※かるたの写真は最終ページにて詳しく紹介
スズキは紛れもなく四輪車・二輪車メーカーだが、実は近年の隠れたヒット商品に、「レトルトカレー」がある。スズキの社員食堂で、インド出身の社員に親しまれている味をヒントに、浜松の企業と共同開発した。
「スズキ食堂インドベジタリアンカレー」は4種類。鈴木俊宏社長(右)も「インドの魅力を発信することができました」などとコメント(HPより)
「どこの国でもいいから一番になりたい」と1982年にインドに進出したのが、修氏だ。他社に先駆けてインド市場の成長性に着目し、リスクを取って現地生産を拡大し続けた。スズキは国民車ブランドになり大成功を収め、修氏はインド政府から国家勲章を授与されるなど現地でも尊敬される人物となった。
レトルトカレーとかるた、どちらも狙いは、クルマよりも手に取りやすい商品でスズキに親しみを覚えてもらい、企業文化を理解してもらうことだろう。カレーのヒットに続けと言わんばかりに、かるたも登場した。
こうした動きについて、今の経営者はどう思っているのか? 修氏の長男でスズキ第5代社長の鈴木俊宏氏に直接聞いた。







