そうした根拠のある不安に基づく反対を覆すのは、やはり自分自身の本気と熱意しかない。

「100万円下がっても、こっちの仕事のほうがワクワクするし将来の夢もある。だからやりたいんだ」と真剣に説得されれば、最初は反対していても受け入れてくれる可能性は高まるでしょう。

妻の合意を得られるだけの
本気度があるかを考える

 こんな話があります。年収1800万円ほどの商社勤務の方が、1200万円のオファーを受けたケースがあります。自社の経営改革を推進するポジションで、本人は非常に魅力を感じていました。

 しかし600万円ものダウンですから、妻の反対を受けて一度はオファーを辞退しました。しかし、オファーを出した企業側があきらめなかった。辞退された後もいろいろな社員に会わせ、プロジェクトに連れ出して口説いていったのです。

 候補者はその様子を妻に「今日もあの会社からこんな話がきて」と逐一報告していました。それを聞いていた妻はこう言いました。

「あなた、転職していいんじゃない。その会社の話をするときはめちゃくちゃ楽しそうで、今の会社の話をしているときとは別人だよ」

 これはとても美しい話だと思いました。

 ただ、そうはいっても前述したように、年収が下がれば現実の生活に影響が出ます。そのダメージを踏まえたうえで、それでもやりたい仕事にチャレンジするかどうかを真剣に検討する必要があります。

 現在のように生成AIの登場をはじめ、突然仕事の前提が大きく変わるような時代では、自分の直感と感性をより大事にすべきだと私は考えています。仕事で「ワクワクする、ドキドキする」感覚が働いているなら、それを大切にしたほうがいい。

 ただ、新しい事象ほど総じてワクワク度は上がります。そのバイアスに気を付けて評価する必要はありますが、自分の「ワクワク・ドキドキ」センサーを大事にして、本当にチャレンジすべきか、そして妻の合意を得られるだけの本気度が自分にあるか考えてください。

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