「そりゃそうですよ!ほかの住宅とは素材が違いますから。長い目で見たら、絶対にこちらのほうがお得です」と自信満々に答えるだろう。

 最近では太陽光のソーラーパネル設置や蓄電池の推奨も同じことがいえる。「初期投資はかかるが、太陽光発電により電気代を抑えられる」。そりゃそのとおり、そのために設置するわけだから。

 しかし、住宅同様、設備関係も、すべては「消耗品」であることを忘れてはならない。太陽光だって、設置して終わりではない。

 いずれは寿命が来て交換、途中のメンテナンス費用でもパワーコンディショナー、清掃を含め、10~15年で50万~60万円はかかることが予測できる。

 お客さまのことを思っての「初期費用をケチらないほうが絶対お得」をあまりにも前面に出しすぎた営業というのは、どうしても「お客さまの置いてけぼり感」を拭えないことも多い。

 とくに工務店の社長や建築士にこの考え方の人は多く、これはやはり技術者と営業マンの感性の違いともいえるかもしれない。

 ちなみにローコスト住宅のハウスメーカーの設計ですら、営業の立場から図面作成の相談をすると、いただく助言がカネのかかる話ばかり。

「それだと建築費用上がっちゃうでしょー?」と聞けば、当然だといわんばかりに、「そりゃそうですよ」といってくるものである。

つくり手のこだわりが
予算を超えていく

 極端な例かもしれないが、この「つくり手のこだわり」を象徴したトラブルで、昔『大改造!!劇的ビフォーアフター』(ABCテレビ)というリフォームをテーマにしたテレビ番組があったのを覚えているだろうか?

 これはさまざまな問題を抱えた家が、「匠」と称される一流の建築士により大きく生まれ変わるという番組。

 その多くの物件は見違えるようなすばらしい物件に生まれ変わったものばかりだったが、なかにはやはり「つくり手」のこだわりが暴走して、お客さまの依頼内容とは大きく異なってしまった結果のものもあったようだ。