依頼案件のなかには、「匠」のこだわりが強すぎて、そもそも予算オーバーの物件が多かったことや、当初2200万円の予算に対し、追加工事費用の発生で最終的に5000万円にふくれあがった話。
また、これにより、根拠不明の追加工事のため、工事料金未払いで訴訟となり、最終的に名古屋地裁で和解が成立した事件もあった。
まぁ、これは極端な例かもしれないが、実際、「賃貸vs.持ち家」論争と同じくらい「ローコスト住宅vs.高価格住宅」「坪50万と坪100万はこの違い」という比較論争は繰り広げられている。
ただ比較というのは同等のもの同士を比較するからおもしろいのであって、まったく別物を比較すること自体がナンセンスな気がしてならない。
『住宅業界ぶっちゃけ話 元営業マンが暴露する儲けのカラクリ』(屋敷康蔵、清談社Publico)
乱暴な言い方をしてしまうと、予算に上限がなければ、いくらでもすばらしい家は建てられるのだ。
高くていいものは当たり前のことであるが、現実は違う。多くのお客さまが、かぎられた予算、住宅ローンで借入できる金額のなかでマイホームを計画しているのではなかろうか。価格帯の違う住宅を比較するのは、車でいったらカローラとベンツを比較しているようなもの。
住宅購入を計画しているとき、「あれもいいけど、こっちもいい……」と迷うお客さまに、当然、よかれと思って住宅業界はいいものをすすめてくる場合も多い。
「でも、そんなに大きなローンを組んで大丈夫?」と自分の心に投げかけてみてほしい。とくに住宅ローンを借りる方、35年は考えている以上に長いもの。「いい家はつくれたけど、払えなかった」では目も当てられないからだ。







