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「不動産を買えば相続税は下がる」――。この常識が覆ろうとしている。2025年12月に公表された2026年度「税制改正大綱」の中で、不動産オーナーや資産家ならば絶対に見逃せない改正が盛り込まれた。「貸付用不動産」と「不動産小口化商品」に対する相続税評価の見直しだ。連載『富裕層必見!資産防衛&節税術』の第14回では、そのポイントを徹底解説する。(税理士法人レガシィ代表社員税理士・公認会計士 天野 隆)
市場価格と相続税評価額の乖離から
「貸付用不動産」狙い撃ちへ
「不動産を買えば相続税は下がる」――。この常識が、いよいよ本格的に見直されようとしている。
2025年12月19日に公表された26年度の「与党税制改正大綱」。この中で、不動産オーナーや資産家にとって見逃せない改正が盛り込まれた。「貸付用不動産」および「不動産小口化商品」に対する相続税評価の見直しである。
背景にあるのは、かねて指摘されてきた「市場価格と相続税評価額の大きな乖離」だ。特に相続直前に取得した貸付用不動産が、著しく低い評価で相続税計算に用いられている点が問題視された。なぜ、貸付用不動産が狙い撃ちされたのか。
不動産の相続税評価は、土地は路線価、建物は固定資産税評価額をベースに算定される。その結果、実際の取引価格の2~4割程度にまで評価が下がるケースも珍しくない。この仕組みを利用し、
「相続直前に貸付用不動産を購入・新築→評価を圧縮→相続税を軽減」
という手法が長年、相続税対策として使われてきた。今回の改正は、まさにこの点に切り込んできたのだ。
次ページでは、今回の税制改正の核心を明らかにするとともに、見直しの「対象外」になる可能性がある不動産や、実務のプロが注目する改正の行方を占う三つのポイントを明らかにする。







