その代表例が、低投資・間借り型で店舗網を広げている「昼だけうなぎ屋」と、その上位ブランドとして展開される「ふじさん」です。両ブランドとも単なる低価格路線ではなく、うなぎを焼く技術のマニュアル化・数値化によって「本格感」と「高いコスパ」を両立しているのが特徴です。
今後のうなぎ業界において、手頃な価格で本格的なうなぎを楽しみたい層と、「焼きは一生」といわれる熟練の技を持つ専門店ならではの価値を求める層という、異なる価値観を持つ市場がより明確に形成されていくでしょう。
――手軽にうなぎが食べられるチェーン店といえば「鰻の成瀬」が店舗を急拡大していましたが、この4月に100店舗超の大量閉店と株式売却が報じられました。
「鰻の成瀬」は2024年前後から急成長しました。実は昨年の暮れに成瀬の社長にお会いした際、成瀬が独自に養鰻場と直接契約できるようになったと聞きました。確かに、調達するうなぎの質は良く、美味しくなっていましたよ。
株式は売却されましたが、「二代目ひつまぶしの成瀬」という新しいブランドも出たので、今後はオーナーさんに負担がかからない範囲で増やしていかれるのではないでしょうか。
回転寿司業界でも、機械握りで低価格を強みにする巨大チェーンもあれば、職人さんが握るグルメ回転寿司店もある。FCうなぎ業界も、幅が広がっていくでしょう。
私はFCうなぎ店を「ゲートウェイ・イール」と呼んでいるのですが、「若者のうなぎ離れ」と言われた中で、単価が安くてそこそこ美味しいうなぎが登場したことで、若者がうなぎを食べるようになっていると思います。これはとても喜ばしいこと。
実は、私の息子が千葉県松戸市にうなぎ店を開業しまして、「20代後半~30代くらいに見える女性2人組客が多い」というんですね。いわゆるママ友もいるのかな。平日のぜいたくランチで、うなぎがよく食べられているそうですよ。
――手ごろな価格で本格的なうなぎを食べられる店が増えるのは、庶民には嬉しいことです。
そうですよね、それを支えるのが「メスウナギの広がり」です。2026年は、メスウナギブランドの普及が進んだ年としても注目されています。愛知県の「葵うなぎ」をはじめ、浜名湖の「でしこ」などが登場しました。







