――奥深い世界ですね……! ところで、ニホンウナギの謎を解く最新ニュースはありますか?

「完全養殖ウナギ」の試験販売が始まったことが、まさにニュースです。水産庁の研究機関が開発した技術を基に、大分県の山田水産が、卵からふ化させて育てた完全養殖ウナギの商業化に向けた試験販売を5月末に始めました。

 国は長年、稚魚であるシラスウナギの漁獲量減少を補うため、天然の稚魚を使わない完全養殖の研究を続けてきました。

 去年の秋には、完全養殖で大きな壁とされてきた「仔魚のエサ」にも、新たな進展がありました。近畿大学と三栄源エフ・エフ・アイが、鶏卵黄を使わない新しい飼料を開発し、この飼料によって100尾以上のシラスウナギ生産に成功しました。

 仔魚の餌には鶏卵黄が欠かせなかったのですが、鳥インフルエンザなどの影響を受けやすいことが課題でした。今回の新飼料は、仔魚の成長に合わせてエサの粘度を調整できます。この飼料だと、従来よりも早く149日齢でシラスウナギへの変態が始まり、282日齢時点では従来よりも多くのシラスウナギを生産できたそうです。

 天然シラスウナギへの依存を減らして、完全養殖を持続可能にする技術には期待したいですね。それは結果的に、私たちが安心・安全で価格が安定したうなぎを食べられること、日本のうなぎという素晴らしい食文化を継承することにもつながります。

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