福沢諭吉は、幕末に咸臨丸で渡米し、西洋の食文化に触れました。それでも帰国後は、『学問のすすめ』の中で、うなぎの蒲焼きを「世界一美味」と絶賛しています。

 また、永井荷風は、江戸の下町文化を愛し、散策の途中でうなぎ店を訪れることを楽しみにしていました。『断腸亭日乗』には、訪れた店や食事の様子が何度も記されています。

 食通として知られる谷崎潤一郎も、うなぎについて何度も書いています。特に蒸してふっくら仕上げる関東風と、蒸さずに香ばしく焼き上げる関西風の違いにとても関心があったようで、それぞれの魅力についてかなり詳しく書いています。

 最後に、川端康成は、鎌倉の老舗うなぎ店「つるや」の常連で、焼き上がるまでの待ち時間には隣の骨董店をのぞくのを楽しみにしていたそうです。この話はつるやの店主から私が直接聞きました。晩年も、うなぎの出前をよく取っていたそうです。

 文豪や文化人にとって、うなぎは単なる滋養食を超えて、美意識というか、暮らしの豊かさを味わう特別な食事だったのでしょうね。

【丑の日】今年は「うなぎ」が安くなる?スーパーが「赤字覚悟」で売り出す理由福沢諭吉 出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」
【丑の日】今年は「うなぎ」が安くなる?スーパーが「赤字覚悟」で売り出す理由永井荷風 出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」
【丑の日】今年は「うなぎ」が安くなる?スーパーが「赤字覚悟」で売り出す理由谷崎潤一郎 出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」
【丑の日】今年は「うなぎ」が安くなる?スーパーが「赤字覚悟」で売り出す理由川端康成 出典:国立国会図書館「近代日本人の肖像」