現場が白ける組織では、往々にして、サーベイの数値を取ること自体が目的になってしまい、結果をもとに状況を改善し、社員へ返す一連の運用が設計されていません。ここで言う白けとは、サーベイや制度、指標運用に対して、現場が意味を感じられず、協力する意欲を失っている状態を指します。さらに細かくそうした組織の特徴を見ていきましょう。
【現場に冷笑される組織の共通点1】
流行しているから導入する
人的資本経営が重要だから、他社も使っているからという理由で、目的を明確にしないまま導入しているのがひとつめの特徴です。
世間では、次々に流行のマネジメント手法が登場しますが、それが本当にその会社の課題に合っているのかは、検討してみなければわかりません。流行っているから飛びつくという発想を、私はマネジメント・バイ・ファッションと呼んで戒めています。人的資本開示とともに広がったエンゲージメントサーベイはその典型です。
【現場に冷笑される組織の共通点2】
結果を社員に返さない
2つ目は、結果が社員に共有されないことです。あるいは、今回の結果は厳しいものでしたと報告されるだけで、具体的に何を変えるのかが示されない。
人は、自分のアクションに何の反応も返ってこない状態をそう長くは許容できません。こうなると、回答率や回答の質が下がり、サーベイそのものの信頼性も失われます。本来なら早期に気づけたはずの、エンゲージメントが急に低下した社員や、問題を抱える部署の状況までわからなくなってしまいます。
施策を打つ前にむやみにアンケートを取りたがる会社は多いのですが、私はアンケートの類を軽々しく取ってはならないと考えています。アンケートの結果、不満や要望が出てくれば、それに対して何らかの回答をしなければならない。社員の声を聞く以上、企業には反応を返す責任が生じるからです。
【現場に冷笑される組織の共通点3】
測定頻度と施策の頻度が合っていない
3つ目は、データを取る頻度に施策を打つ頻度が見合っていないことです。毎週サーベイを実施しているのに、人材育成や研修制度は年に一度しか見直さない矛盾した企業もあります。
短いスパンでデータを取るなら、マネージャーへのフィードバックや特定部署への介入も、その都度迅速に行わなければ意味がありません。研修の内容を変える、一対一の面談のやり方を見直す、フォローが必要な社員に個別に声をかける。そうしたアクションがあって初めて、社員は回答したことに意味があったと感じます。
何も変わらないままサーベイだけが繰り返されると、現場には、「また人事が何か始めた」「自分たちは会社の利益を上げるために働いているのに、人事は協力してくださいと、足を引っ張っているだけ」という空気が広がります。







