中国のオープンソース型重視
したたかな狙いの先にある国とは
また、中国政府の国家AI戦略も、ビジネスモデルに強い影響を与えている。7月の上海世界AI大会で、習氏は「自国のAIを世界の公共財にする」と宣言した。新興国や途上国に、中国製のAIを積極的に提供し人材育成など支援も行う。
中国は、AIの国際標準規格を自国の価値観に従わせようとしている。中国の国有・国営企業や政府系ファンド、研究機関などは、アリババやテンセント、ムーンショットAI、北京智譜華章科技(智譜AI)、ミニマックス・グループ、ディープシークなどのモデル開発を強力に支援する。
国家主導で、競争力の高いAIを開発し性能を引き上げる。それを、ロボットや自動車、社会監視網システムに搭載する。アジアやアフリカの新興国などにAIを輸出し、現地のニーズに合わせて調整する。こうした動きにも、オープンソースのほうが適しているというわけだ。
2026年7月17日、中国・上海で開催された世界AI会議。中国の習近平国家主席、国連のアントニオ・グテーレス事務総長、タイのアヌティン・チャーンウィラクン首相、カンボジアのフン・マネット首相、カザフスタンのカシム・ジョマルト・トカエフ大統領など参加者らが記念撮影 Photo:Pool/gettyimages
ロボット、半導体、サーバーも…
各国で急速に中国企業の影響力
中国製のAIは安い。5月にディープシークは、主力モデルの料金を恒久的に75%値下げすると発表した。中国製AI全体では、米国の競合モデルより、最大で9割程度も安いといわれる。中国のAIが、世界に価格破壊をもたらしているのだ。
こうした圧倒的安値で、中国製AIの世界シェアは急上昇している。それは、世界のAIの処理量のシェア(トークンシェア、AIがアウトプットした文字やデータの量)の推移から確認できる。







