2024年後半の時点で、米中のシェア格差は99:1だったといわれている。それが25年6月時点では、米国企業が開発したAIは世界シェアの70%ほどだった。
ところが、今年6月時点では、米国が最大36%程度、中国は46%と逆転したとみられている。これはトランプ政権が、アンソロピックの最新モデルの利用を一時停止した影響もあり、結果的に中国勢のシェア拡大につながった。
オープンソースかつ安いことは強力な武器だ。また、オープンソースであることは、AI分野の成長の加速に大きく寄与したといえるだろう。
18世紀末、産業革命が起きたイギリスは、機械輸出禁止令を発布した。産業革命(エネルギー革命)で実現した繊維機械の設計、製造技術の海外流出を阻止するためだ。
しかし、その狙いはすぐに崩れた。紡績技術を記憶し、米国に移り住んだサミュエル・スレーターによって、知的財産は米国に流出した。スレーターは、米国産業の父などと呼ばれている。つまり、技術を公開せず、利得を囲い込もうとしてもいずれは流出する。
インターネットに関しても、オープンソースのHTTP規格の利用が爆発的に増えたことで、世界のデジタル化は加速した。サーバーに関してもオープンソースのLinuxが国際標準といわれている。
オープンソース、低価格の中国製AIの成長に伴い、各国で急速に中国企業の影響力が拡大するだろう。それは推論モデルにとどまらず、ロボット、半導体、サーバーなど広範囲に影響する。
AIの世紀が本格化する中、経済安全保障をはじめ中国製AIが、主要先進国の脅威になることは間違いない。それはもちろん日本も例外ではない。








