黒澤「上田さんがおっしゃったことに補足すると、そのある大学の授業ではこの題材を使い、講師が“世の中にある問題の答えは決して1つではない”と伝えたとか。深いメッセージです」

和泉「私のようなタイプは“18”の半分はと聞かれたら、“9”以外に正解などないと思い込んでしまいます……。でも、それってとても範囲の狭い思考ですよね」

黒澤「かもしれません」

和泉「……悔しい」

 クイズの答えが出せないことに悔しさをにじませるヒカリ。上田は右手に持っていたマーカーを置き、座席に戻ります。

発想力の根底にある
「◯◯もあり」の思考

上田「ところで、そもそもラテラルシンキングってなんなの?」

和泉「一般的な定義としてはこんな感じです」

 ヒカリは以前に自分がメモした情報を会議室のディスプレイに表示させます。3人が一斉に画面に注目し、しばし沈黙の時間が流れます。

【ラテラルシンキング】
「水平思考」とも言われ、これまでの思考パターンや情報源とは異なるものを取り入れて、より自由な発想をする思考法。

■ラテラルシンキングが得意な人の特徴
・発想力に優れている
・常識にとらわれない
・現実性も気にすることなく、「ありえないこと」を平気で言う

和泉「黒澤さんはラテラルシンキングを勉強されたとのことですが、この定義に違和感はありますか?」

黒澤「いえ、とくには」

上田「なるほど~。確かに俺っぽい(笑)」

黒澤「以前、ラテラルシンキングの講義を受けたときに聞いたことで、印象に残っている整理があります。ロジカルシンキングは“べき”で、ラテラルシンキングは“もあり”だと」

和泉「“べき”と“もあり”ですか?」

黒澤「ええ、実はさきほどの対話でまさにそれが表現されていました(※)。和泉さんはダイエットすべき。上田さんはダイエットしないのもあり」

(※)…太ってきたことを悩む男性がいた場合、ヒカリは「健康のために、食事を見直して、定期的に運動をしたほうがいいよ」とアドバイスし、上田は「少しくらい肉づきがいいほうが健康的に見えて素敵ですよ」と声をかけるといった内容の対話。

上田「ホントだ!」